宝塚時代の紫吹淳さん。2001年7月には月組トップスターに就任した(photo 本人提供)
宝塚時代の紫吹淳さん。2001年7月には月組トップスターに就任した(photo 本人提供)

結婚が選択肢に入った時期もある

 こんなふうに豊かな余裕を持った暮らしを楽しんでいる今、誰かのために早起きをしたり、これまでの生活を変えたりするのって果たしてできるのだろうか……と考えてしまいます。

 これまで結婚を敢えて避けてきたわけではありません。もちろん、恋愛もしたし、結婚が人生の選択肢に入った時期もあります。でも、選ばなかったんです。

 一人で生きていくことの将来の不安はなくはないけれど、何とかなる! 絶対なる!と思っています。私は超がつくほどの前向きで、人生は自分次第だと思っていますから。

 そう思えるのは、宝塚時代に応援してくれるファンの方たちのためにも、そして自分自身のためにも頑張って、頑張って、トップにまで上り詰めて主役の座を射止めて、今があるからでしょうね。ずっと自分で自分の人生を切り開いてきました。不安な思いを持ったって、何かが変わるわけでもない。であれば、私は自分のやりたいこと、目指すことに正直でありたいと思って。50歳をすぎた頃から、「結婚」という二文字が私の人生の中から消えました。だから私は、前向きな「選択式おひとりさま」です。

インタビュー中は終始柔らかい笑顔で、現在の日々について語っった紫吹淳さん(photo 写真映像部・山本二葉)
インタビュー中は終始柔らかい笑顔で、現在の日々について語っった紫吹淳さん(photo 写真映像部・山本二葉)

「男性から刺激を受けて美しく」という思考

 マネージャー含め私には心強い仲間がいて、生活や人生を支えてくれる友人知人がいます。とはいえ、女性ですもの。男性から見られたり、刺激を受けたりすることで美しく在ることができるという、その思考は捨てなくていいと思っています。その上で、誰かに依存をすることなく、今の自分が選んだ生き方を日々楽しみ、周囲に感謝をしながら生きていきたいですね。

 人生100年時代。いや、120歳まで頑張りたいですね。これから何があるかわからないけれど、これまで通り「自分軸」をぶらさずに、正直に感謝を忘れずに生きていく。それが、「紫吹淳流・おひとりさま」の美学です。

(構成 AERA編集部・大崎百紀)

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