
ももクロのリーダー・百田夏菜子さんがホストとなり、月替わりのゲストとトークを繰り広げるAERAの対談連載「この道をゆけば」。ハマ・オカモトさんとの対談は今号でいよいよラストです。アイドルとロックバンドというジャンルの違いはあれど、驚くほど感覚が通じあう百田さんとハマさん。恒例のプレゼント企画では奇妙なシンクロ現象が起きて──。AERA2025年7月28日号より。
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百田:私、ライブの直後っていつも不思議な気持ちになるんです。さっきまで目の前で無数のペンライトが揺れていたのに、ステージを降りた数十分後にはもう暗い車の中にいて……現実と非現実が混ざり合うような感じというか。
ハマ:つい最近まで全国ツアーを回っていたから超わかりますよ。終わってすぐ私服に着替えて、ハイエースに揺られて宿泊先のホテルへ移動してる時の気持ち。あれは独特なものだよね。
百田:はい。静かに座ってるんですけど、まだライブ中のテンションが落ちきってなくて。
ハマ:ぼーっとしてるうちにだんだん冷静になってきてね。
百田:いつもの現実に引き戻されていく。ちょっと切ない気持ちになるけど、そうやって自分の中でバランスを取ってるんですよね。
ハマ:いや本当によくわかる。ホテルに着いてカップ麺でも食おうかなと思って近くのコンビニで買ってきて、部屋に戻ってお湯を入れたらどこにも箸が見当たらない。で、またコンビニに駆け込んで「すいません、箸ください」とかやってると、俺は一体何をやってるんだろう?って思うんだけど、そういうのが自分を取り戻すスイッチにもなってるんですよね。
百田:そう思います。どれだけ芸能界に長くいても、たぶん私の中には夏休みに延々とボールを転がしていた頃の自分がいるんです。
ハマ:出たー、謎の遊び(笑)。でも面白いね。百田さんと僕は活動ジャンルこそ違えど、同じことを思うんだなって感動しました。ちなみに酔っ払って記憶を無くすことってあります?
百田:一回も無いです。
ハマ:僕も無いんですよ。それができたらどんなにいいか……。来世があったら大学通ってテニスサークルに入りたい。道玄坂あたりでゴミ袋の上で寝て介抱とかされたいもん(笑)。
百田:なんですかそれ(笑)。
ハマ:19歳でデビューして、そういうことをやってこなかった人生だから、輪廻転生があるんだったらやってみたいなって。「GOUNN」じゃないけど。
百田:でも、経験できないことに対して、当時から不満があったわけではないですよね?
ハマ:そうそう、別に嫌ではなかった。自分が経験してないから興味があるだけで。
百田:一緒です。私も「みんなと同じようにできなくて大変だったでしょ」ってよく言われるんですけど、できないのが当たり前すぎて、そこに対して嫌だなとか思ったことがなくて。
ハマ:そうね。