また、ランキングを見てみると、経営再建中の日産自動車にも1億円超の役員が5人いる。
「この点については、賛否が分かれるところです。役員報酬は基本的に前年度の株主総会で承認された枠内で決まりますが、最終的にその妥当性を判断するのは、株主をはじめとしたさまざまなステークホルダーです。評価の際にはまず企業の業績とのバランスが重視されます。また、同業他社との比較も重要です。たとえば自動車業界であれば、トヨタやホンダ、マツダといった企業と比較して報酬水準が高ければ、批判が生じることもあります。実際、報酬の多寡は業績と密接に関連していますが、一方で、企業規模や役職の重みを考慮すると、『この程度の水準は避けられない』という現実もあるのかもしれません」
その会社の業績や健全性、あるいは体制を判断するためにも、役員報酬ランキングを深く読み解く必要がある。
(AERA編集部・古寺雄大)
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