各シナリオにおける家計への影響度(柏村氏提供)
各シナリオにおける家計への影響度(柏村氏提供)

 発生確率15%なのが価格安定シナリオだ。平年より気温は高くなるが、適度な降雨に恵まれ天候は比較的安定する希望的観測を込めたケースだ。食費は0~マイナス1千円、電気・ガス代は500~マイナス1500円、合計影響額で500円となった。

 これらの予測について、柏村氏は「価格が比較的安定している食材を上手に活用したり、冷凍保存やセールなどを駆使してフードロスを削減したりする『食生活の工夫』や、冷房の適切な温度設定(28度目安)、断熱シートの活用といった『省エネルギーの徹底』が、直接的な家計防衛策となる」としつつ、そのうえで「予測の真価は私たちに『備える』ための時間と情報を提供してくれる点にある。悲観にくれることはなく、こうした予測を基に備え、懸命に行動することが大切です」と話している。

ライター浴野朝香

柏村祐・主席研究員(本人提供)
柏村祐・主席研究員(本人提供)
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