「パッチギ!」に出演した頃の沢尻エリカ(写真:Pasya/アフロ)

なんだかんだ言ってずっとカワイイ

 民放ドラマ制作スタッフは沢尻の復帰についてこう語る。

「近年は不祥事を起こした芸能人に対する世間の目がますます厳しくなっていますが、逮捕前は圧倒的な存在感でさまざまな作品に出演していていたこともあり、実は起用したいというドラマ、映画関係者も少なくない。39歳になっても美貌は衰えず、“なんだかんだ言ってずっとカワイイ”と同世代の女性からの支持も高いですし、やはり作品として映えますからね。関係者は今、起用リスクとてんびんにかけている状況でしょう」

 世間の信頼を取り戻すのは簡単なことではないが、本格的な復帰も不可能ではないということか。

「復帰舞台に伴うインタビューで沢尻は、自身は決して若くはないが大人としての魅力も確立できておらず、そんなはざまでもがく今の自分だからこそ醸し出せるものがきっとあると語っていたのが印象的でした。今後は、女優として自分にしかできない役というものを追求していきそうな予感もあります。過去に数々の騒動で世間を騒がせた沢尻ですが、もともとの存在感に加えて、ダークなすごみから透明感のある清楚な雰囲気も醸し出せる稀有な存在です。すでに配信作品への出演が決まっているという話も出ていますので、まずは舞台や配信系の作品で実績を作ることが復帰への道になりそうです」(同)

 芸能ジャーナリストの平田昇二氏は、沢尻をこう評価する。

「沢尻さんといえば、2007年の“別に……”の騒動もあり、どうしてもネガティブな話題が先行しがちですが、出世作となった05年公開の映画『パッチギ!』で数多くの映画賞・新人賞を受賞して以降、卓越した演技力でさまざまな作品で輝きを放ち続けています。ドラマ『1リットルの涙』や『タイヨウのうた』では難病に立ち向かう主人公やヒロインを熱演し、『母になる』では息子を誘拐されて悩み苦しむ母親を好演しました。映画『ヘルタースケルター』ではヌードもいとわない体当たりの演技も含めて、アナーキーな役を演じ切り話題をさらうなど、演技の幅の広さも特筆すべきものがあります。近年は配信系の映像作品も身近になっていますし、舞台に続き、再び映像作品で女優として輝く沢尻さんの姿を見たいと思っている人も少なくないと思います」

 女優としてもう一花咲かせることができるか。また沢尻の言動、行動から目が話せなくなりそうだ。

(丸山ひろし)

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