
■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
ポルノ業界に浸り、17年ぶりにテキサスに帰ってきた中年男のその後。お調子者で無一文、17歳小娘に夢を抱くおバカな彼だが、嫌いになれないのはなぜ? ノー天気なアメリカンの世界に笑いながら物悲しくなってきた。
■大場正明(映画評論家)
評価:★★★
落ちぶれても懲りないナルシシストが繰り出す妄言の数々と、テキサスの寂れた地域のリアルな日常とのギャップが滑稽で危うく、哀感も漂う。新人や設定に相応しいキャストを発掘し、個性を引き出す手腕はさすがベイカー。
■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★★
なんかエロくて、刺激的でカッコいい! 場面一つ一つがポスターのよう。数年前だけど家や肌質が色っぽくてレトロ感を醸し出す。主人公マイキーはマジで問題ありだけど周りが更にヤバい。彼は単純に運の良いヤツかも!
■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
監督の前作「フロリダ・プロジェクト」は映画としての新たな可能性を示して画期的だった。コロナ禍で過去作と同じ題材のポルノ俳優が故郷に帰還の話を、あえて取り上げながらも登場人物への視点の確かさが傑出。
(構成/長沢明「+code」)
※週刊朝日 2023年4月28日号