「ロンバケ」後、俳優業を縮小

 山口といえば、短大進学のために上京し、女性ファッション誌「ViVi」のモデルとして活動を開始。23歳でNHK連続テレビ小説「純ちゃんの応援歌」のヒロインで俳優デビューを果たすと、たちまちオファーの絶えない大スターとなった。

 しかし1995年に、同朝ドラで共演した俳優の唐沢寿明と31歳で結婚すると、「私は何を学びたいのか」と見つめ直し、俳優業を縮小することに。結婚翌年に木村拓哉とダブル主演を務めたフジテレビ系月9「ロングバケーション」が放送されると、同作を最後に連ドラ主演から遠ざかることとなった。山口の全盛期について、芸能評論家の三杉武氏が振り返る。

「かつて“連ドラクイーン”として人気女優の仲間入りを果たした山口さんですが、特に『ロングバケーション』は社会現象を巻き起こすほど大ヒット。複数のドラマで明るく前向きでサバサバしたカッコいい女性を好演すると、そうした役柄のイメージもあり同性を中心に高い支持を集めました。私生活では、92年に宅配便の配達員を装った暴漢が山口さんの自宅へ侵入する事件が発生。この時に部屋の奥から出てきた男性が暴漢を撃退して山口さんは事なきを得ますが、この男性が唐沢さんであることがマスコミの取材で明らかに。結果、2人の交際が明るみに出て当時はかなり話題になりましたね。こうした報道もあってか、2人がゴールインを果たした時には祝福の声が多かった印象です」

唐沢寿明との夫婦関係

 特殊な家庭環境で育ち、血の結びつきを信用していないことから“子どもをもうけない人生”を選択したと、過去のインタビューで明かしている山口。前述のYouTubeチャンネルには唐沢もたびたび出演しており、お揃いのファッションアイテムを身に着けるなど現在もラブラブな関係が伝わってくる。前出の三杉氏が語る。

「2010年から、世界中を旅して多様な音楽文化を映像ライブラリーに収めるプロジェクト『LISTEN.』を展開している山口さん。1990年代に多忙な日々を過ごして年齢やキャリアを重ねる中で、子どもの頃から憧れていた活動や自由な生き方をより尊重するようになったのではないでしょうか。もちろん、そうした思いを具現化できる背景には夫の唐沢さんの理解があってのことでしょう」

 実際、唐沢は「相手が幸せでいてくれることが自分の幸せ」という考えであることから、山口の長期の旅行にも協力的なのだとか。そんな理想的な関係は、還暦を過ぎた夫婦のお手本にもなりそうだ。

(小林保子)

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