1年のうち、ほぼ365日外食をするという、ホリエモンこと堀江貴文さん。堀江さんは、飲食店に関して信用できる人脈から価値のある情報を得たいという思いから、2013年にはグルメキュレーションサービス「TERIYAKI」をリリースするなど、日々食との感動的な出合いを求めているといいますが、数多くの飲食店を訪れるなかで、経営者としての視点から思うところも多いそう。



 「おいしいものを作れるセンスと腕があるのに、ビジネスとして成り立っていないケースがあまりにも多いのだ。厳密にいうと店主はそれで生活をしているのだから成り立っているのだが、10年後、同じように人気店として経営できているか、と想像するとそうではないような気がする。(中略)レストランにはまだまだ儲けを生む伸びしろがあるし、労働環境だって改善できるはずだ」(本書より)



 そこで本書『なんでお店が儲からないのかを僕が解決する』では、飲食店が現在直面しているさまざまな問題を分析し、レストランビジネスで成功するための秘訣を紹介。また実際に飲食店を経営している方々からの具体的な質問にも答えていきます。



 堀江さんが思う、レストランビジネスで成功するために必要なこと、そのいくつかを見てみましょう。



 まずは"職人にしか作れないものは作るな"。堀江さんは「職人技、職人仕事というととても耳ざわりがいいのだけれど、実際にビジネスになると決して歓迎すべき言葉ではない」(本書より)と綴ります。



 この考え方で成功した"牛角"は、肉の味に大きく影響してくる、肉の切り方を完全マニュアル化。アルバイトでも肉が切れるようになったことでコストを大幅に削減することが可能になったのだといいます。



 店主ひとりしかできない技術しかないと、店舗を増やすことができないばかりか、進化し続けるために必要な"他所の店に食べに行く"という時間をとることすらできなくなってしまうと指摘。職人がいないとなにもできない状況は、コスト的にも時間的にも無駄が多いといいます。



 続いて"現代のコミュニケーションツールを使って産地と直接「つながる」"こと。従来のように毎日築地に行き、仲買と仲良くなるよりも、生産者と直接コミュニケーションをとることをすすめます。産地と直接取引をすることで仕入れのコストを抑えることができるだけでなく、直接LINEやメッセンジャーにてリアルタイムでやり取りをすることで、珍しい一品が手に入ることも。



 「築地のヒエラルキーは厳しく、いいものや貴重な素材は、当たり前のことだが長い付き合いの料理人に渡される。そのヒエラルキーもすっ飛ばせるのが、産直との一から作るつながりなのだ」(本書より)



 「飲食店にもっと元気でいてほしいし、もっと革新を起こして僕たちを驚かせてほしい」(本書より)と、飲食店への期待を述べる堀江さん。日々"食"と"経営"に向き合う堀江さんならではの、的確なアドバイスに満ちた一冊となっています。

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