
国会では皇族数の安定的な確保策を巡って各党が議論を進めるなか、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持することについては各党ともおおむね容認する立場をとっている。
しかし、女性は結婚により皇室を離れると定める皇室典範の改正が、どのタイミングに行われるかは未定だ。
公務の取りまとめを行うのは宮内庁だが、公の役所である以上、杓子定規に動かざるを得ない部分がある。
「宮内庁は、現行の皇室典範の規定に基づき、『愛子内親王殿下はご結婚によって皇室を離れる』ということを前提に、公務や総裁職への就任について考えなければなりません」(山下さん)
高円宮家の三女の守谷絢子さんのように、名誉総裁を務めていた「日加協会」や「日本海洋少年団連盟」に、結婚後も引き続き名誉副総裁や名誉副総裁として携わっている元皇族女性の例もある。

ただ、内廷皇族である愛子さまの立場は、より責任が重い。法改正が間に合わない場合、数年で担当の公務や総裁職を辞めることになるため、より慎重にならざるを得ないのでは、と山下さんは感じている。
「天皇陛下は以前から、『時代にあった公務の在り方』について言及されています。皇室典範の改正とは関係なく、愛子内親王殿下が関心を持っておられるボランティア活動や防災、また古典文学に関することなど、柔軟に公務の幅を広げていかれることは、皇室にとってもご本人にとってもよいことだと思っています」
大阪万博の会場では、愛子さまをひと目見ようと、大勢の人たちがパビリオン前などに集まり、愛子さまフィーバーが巻き起こった。
さらに戦後80年となる今年は、沖縄への慰霊も控えており、愛子さまの存在感がますます高まりそうだ。
(AERA 編集部・永井貴子)
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