イラスト:サヲリブラウン
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 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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 なんでも勢いでなぎ倒していくタイプに見られがちですが、「テレビ、写真を撮られること、パーティー」が苦手だと言うと意外な顔をされます。そういうのは得意だと思われている節がある。まあ、そう見えますよね。

 私がテレビ出演に対し消極的な理由は数あれど、終わったあとの疲労が凄まじい! は、出演を避ける大きな理由のひとつです。何度やっても、こればっかりはダメ。

 収録や生放送の最中はなんとかなるものの、終わったあとフラフラになり、必ず気絶するように寝てしまう。思っている以上に精神的、肉体的負荷が強いのでしょう。

 写真撮影も、著作インタビューで1カット撮られる程度ならお手のものですが、インタビュー中にパシャパシャ撮られたり、雑誌の特集で何カットも撮られたりすると、どんなに楽しく撮影できても、終了後は気絶です。

 一方、思うように書けない原稿執筆に多くの時間と気力を費やしたり、何度も書き直したりする労力に、同質の疲労を感じることはありません。疲れても、ダメージの度合いがまったく異なるのです。

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