「明日の自分にとって彼は必要がない」可能性も

 とはいえもともとは恋愛感情で結びついた二人であれば、関係が変化したり温度が乱高下したりすることに、ある程度の動揺はあるのだと思います。お便りを読むと、相手の気持ちはさておき以前と同じようには相手に恋焦がれていない自分に戸惑いがあり、恋愛で結びついた関係を今のような感情で維持できるのか疑問があるのだと感じました。そういう時期が過去にもあったのかどうかはわかりません。でも読む限り、二年ほど前までは比較的穏やかだった関係が、最近喧嘩が増えたことで変質したというように受け取りました。

 二十年も一緒にいたら、苛立ったり喧嘩続きだったりする時期があるのは驚くべきことではない気がします。ただ、今までなかったような口論が続いたのであれば、それまではなかった相手への不満やストレス、怒りが多少なりともあるはずです。そしてそれは、二人の関係や相手への気持ちが冷めたとか熟したとか変化したとか不安定になったとか、全部当てはまると言えば当てはまるのでしょうが、そういう分析はあまり意味がなくて、むしろお互いの個人の変化にも目を向けてはどうかなと思うのです。

 あの頃のあの人が好きだったとか、あの頃の私は彼に夢中だったとか思っても、人は必ず変わります。だからたとえ十八年好きだった彼であっても、最近の彼は好きではない、ということは当然起こるのだと思います。また、十年彼を思い続けた自分であっても、明日の自分にとって彼は必要がない、ということもあり得ます。

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