
高い品格を身につける
昨年、一昨年と高倍率だった湘南白百合学園中学(神奈川県)など、今の時代に合った取り組みをしていて、かつそれを外にピーアールするのが上手い学校が多くの志願者を集めている。
中でも最近“人気校”として注目されているのは、東京都港区の女子中高一貫校の山脇学園だ。先日終わったばかりの今年の一般入試では、実質受験倍率7.2倍となる回もあった。
同校は1903年創立の伝統校で「豊かな教養と高い品格を身につけ、自ら行動する女性の育成」を建学の精神に掲げている。創立当初から国際社会の中で力を発揮できる女性の育成を目指し、英語教育に定評のある学校として知られてきた。さらに最近は理系の教育にも力を入れていて、今年度は文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール」の指定校にも選ばれた。
「2022年度からは今社会でも必要とされている総合知を得るためのカリキュラムやプログラムを導入しています。文理を分けずに学べる仕掛けをいろいろとしていて、人文、自然科学などを融合的に学ぶものを全生徒必修で受けるようになっています」と説明するのは、同校の堀江綾教諭だ。
「女子しかいない本校では、とりわけ、『男子だから』『女子だから』といった枠組みにとらわれることなく、様々な活動に生徒たちがチャレンジしていく土壌ができているように思います」(堀江教諭)
その結果「女子は文系」というステレオタイプが植わることがなく、同校の卒業生の3割以上が理系の大学に進学しているという。(フリーランス記者・宮本さおり)
※AERA 2025年3月31日号より抜粋