
「コンビニ百里の道をゆく」は、ローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
【写真】東京ドームでの開幕戦で二塁打を放った大谷選手はこちら
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ついにメジャーリーグが開幕しましたね。東京ドームでのドジャースとカブスの開幕シリーズ。山本由伸に佐々木朗希、今永昇太が先発で投げ、大谷翔平と鈴木誠也が主軸を打つという光景を見てまず感じたのは、「メジャーリーグがずいぶん身近な存在になったな」という喜びです。
メジャーリーガーと言えばその実力が「異次元の人たち」という感覚を、つい最近まで持っていた気がします。2000年に日本で初めてメジャーの開幕戦が開催された時には、こんなに沢山の日本人選手が活躍するなんてなかなか想像できないことでした。
ビジネス界の私にとっても刺激的なことです。世界の企業が集まる場で「エースと4番が日本の企業」なんてことにはまだなっていませんから。「夢」だと思っていたような状況を大谷選手たちが実現している。私たちももっと頑張りたい、とも思います。
一方で、日本のトップ選手がごっそりメジャーに行ってしまうと、プロ野球の魅力が相対的に下がってしまうという声もあるようです。でも私は、この状況は「日本のプロ野球がますます面白くなってきている証し」だと考えます。互いに影響し合っていけたらいちばんいいと思うんです。

その意味でも、日本のプロ野球で注目するのは、阪神タイガースの藤川球児新監督です。メジャーリーグの組織論や育成論を、球児監督がどう日本のプロ野球に適応させ、タイガースを改革してくれるか楽しみにしています。
日本ハムファイターズの新庄剛志監督もそうですが、日米双方で活躍した選手が監督やフロントに入ることで、日本のプロ野球も魅力的なものになるのではと思います。
近い将来、ヤンキースでも活躍した松井秀喜さんが巨人の監督になり、球児監督率いる阪神と伝統の一戦、などという光景も期待できるかも。いまからワクワクします!
※AERA 2025年3月31日号

