――マンガのように、試合中に突如新たな必殺技を思いついたりすることはないのですね。
試合の中で“これが当たるんじゃないか”と思ったりはするんですけど、その技っていうのはやっぱり練習でやってる中から思いつく感じです。
――試合における閃きや感覚も日々の練習が土台になっていると。
普段の練習っていうのがやっぱり自分の自信に繋がっています。
――では、練習も試合のような心持ちで取り組むようになり、現在の心境が出来上がっていったのが20歳を過ぎてからと。
最後に負けたのが19歳の時で、そこから今まで連勝を続けてこられているので、そういう気持ちになってからは調子がいいです。
――35連勝で5年半以上無敗、やはりご自身でも自分を強いと思いますか?
自分の理想の完成とは言えないですけど、ただ自分の階級、ONEで言ったらアトム級は自分の階級だと思ってるぐらいには自信は持ってます。
――勝負は紙一重とも言いますが、吉成選手は圧倒的に勝つことが少なくありません。余裕を覚えて気が緩むことなどはないですか。
常に緊張感を持ってやっているので、あんまりないです。どの試合に取り組むにしても自分の精神状態っていうのは同じですし、常に“自分との戦い”っていうような意識なので、常に自分の一番を更新していきたいっていう気持ちがモチベーションにも繋がっています。
――常に自分との戦い、という気持ちになったのも早い段階からですか?
それはチャンピオンになってからですかね。自分がチャレンジャーっていうより防衛戦とか迎え撃つ試合が多くなってきているので、そういう時も自分を磨くじゃないですけど、そういう風に思ってます。
――相手ではなく自分に目線を向けることで、戦いへの強い精神が保たれているのですね。
もちろん相手選手の対策もしたりするんですけど、やっぱり普段の練習から自分に勝つじゃないですけど、例えば何かのトレーニングを10セットやるとしたら11セットやってやろうぐらいの気持ちで毎回やるっていうのが、僕の中ですごく大事にしていることです。走る時とかもタイムは縮めていきたいし、トレーニングから結果を出したい、常に上書きしていきたい、みたいな気持ちがあります。