――試合は先の見えない不確かなものですが、不安に駆られることはないと。

 もう絶対に試合では練習してきたことが出るので、“練習通り動こう”っていう感じです。

――それだけ練習で積み上げてきたことに自信があるということですね。

 体力的な面でも試合を通して動き続けられるスタミナは作っていますし、どんな展開になっても最後まで戦い切れるだろうっていう気持ちはあります。

――そういう自信があるからこそ、不安を感じたりはないのですね。

 そうですね、あまりないです。

――今年の1月で24歳と若い吉成選手ですが、昔からそんな心持ちで試合をできていたのですか?

 キックは小学3年から始めて中学に入ってからムエタイに専念したんですけど、最初はもう試合がイヤでしょうがなかったぐらいです。なので試合の前になると胃が痛いとか頭が痛いとかっていうのが結構ありました。

――では、試合が怖かったり不安を覚える一般的な感覚も分かる訳ですね。

 分かります。やっぱり後輩とかが緊張しているのを見ると懐かしいなというか(笑)。

――いつぐらいから緊張したりが無くなったのですか?

 プロデビュー戦もめちゃめちゃ緊張しましたし、20歳を超えてぐらいですかね。自分の中で気持ちを変えるというか、試合前になると結構“試合前だ”っていう気持ちになって、“やらなきゃ、やらなきゃ”みたいな感じになっていたんですけど、試合でも練習と一緒、今まで通りっていう気持ちになってから、すごい気持ち的に楽になりました。

――逆に言うともう練習の時から、試合のような気持ち、緊張感でやっているということでしょうか。

 そうですね、普段の練習から全力で取り組んでいます。練習で動いてる以上の動きは試合では出ない、練習でやってきたことが試合で出ると僕は思っているので、練習でやってきたことを発揮するだけっていう感じです。

――吉成選手であっても練習でやっていないものが出せたり、練習以上の動きができるようなことはない?

 僕はなかなかないです(苦笑)。そこになってくると本当に感覚とかセンスの話になってくると思います。自分は距離感は他の選手より長けていると思うんですけど、得意技だったりは練習から、練習しているものが活きている感じがします。

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5年半以上無敗、自分を強いと思う?