時間通りに収録が終わる現場
浜田の番組収録は時間通りに終わることで有名だ。浜田はダラダラと長く収録をすることを好まない。そのため、ときには番組の放送時間よりも収録が短くなってしまうこともある、などとほかの芸人がネタにしているほどだ。
そのぐらい浜田は時間管理に厳しく、番組をスムーズに進めることにこだわりを持っている。その意識の高さが、スタッフからは「厳しいが信頼できる司会者である」と評価されることにつながっている。
一方、その厳しさと同じくらい、人間的な優しさを持っているところも浜田の魅力である。浜田はツッコミ芸人の頂点に立つ存在であり、厳しいイメージもある。ときには容赦なく共演者の頭をはたいたり、声を荒げたりすることもある。
でも、浜田は収録中に人の話を聞くとき、誰よりも笑っているし、楽しんでいる様子を見せている。そこに何とも言えないかわいげがあるので、嫌な感じがしない。
緊張感と温かみのバランス
テキパキと場は回っているのに、温かい空気が醸し出される。緊張感と温かみが程よいバランスで存在するというのが浜田の現場であり、それを実現できるのが一流の司会者である証だ。
最近では、暴力的な笑いの取り方は敬遠される傾向にあるが、浜田だけはそういうイメージでも許されているところがある。従来通りの芸風を貫いていてもほとんど批判されることがないのは、圧倒的な愛嬌の良さがあるからだ。
今回の突然の休養発表に関して、世間では心配する声が大きい。ただ、一般社会の常識で考えれば、60歳を超えた人間が現場の最前線で戦い続けるのは簡単なことではない。松本がいなくなり、1人でダウンタウンの看板を支えなければいけない気苦労もあったはずだ。ひとまずはゆっくり休んでもらいたい。稀代の天才司会者が、また元気な姿で戻ってくることを願っている。(お笑い評論家・ラリー遠田)

