不登校の子どもの「(学校に)行く行く詐欺」「(勉強を)やるやる詐欺」に、家族が振り回されて疲れ果ててしまうのは、よくあること。そう話すのは、“不登校専門のオンラインプロ家庭教師”、「イエローシードラビー」代表の植木和実さんです。不登校の家庭学習のアプローチ方法について、子どものタイプ別に教えてもらいました。著書「これだけで大丈夫! ずっと不登校でも1年で希望の高校に合格する方法」(日本実業出版社)からお届けします。
【マンガで読む】「なぜ学校に行けないの?」と聞いても、子どもが「わからない」と言うのはなぜ? 不登校で“原因探し”より大切なこと(全31枚)「行く行く詐欺」「やるやる詐欺」の真相
不登校の生徒のご家族から、たまに「行く行く詐欺、やるやる詐欺に振り回されて疲れ果てました」と言われることがあります。これ、あるあるなのです。
生徒の気持ちを代弁すると、本当に前日の夜には「明日は行く! 絶対行ける! がんばる‼︎」と気持ちが膨らむのですが、当日朝になると、気持ちが萎んで、不安が大きくなって押し寄せて、どうしても行けなくなるということのようです。
良心や常識に照らして、本人が「行ったほうがいい」「そうしたい」と思い、ご両親に伝えたら喜んでくれた。これは絶対にやりたい。でも、できなかった。これがあったときには、「やりたいけど、まだできないんだな」と判断するといいようです。
勉強も同じです。生徒が「やる」と言ってもやらなかった場合、できなかったと考え、どこかにハードルはないか、工夫できることはないか、一つひとつ工夫することに専念します。
「やる」と発言しているのだから、やりたい気持ちはあるのです。でも、できない。そのギャップを探し、できるまで一緒に工夫をするようにしています。
多くの場合、それは「いつ何をするか具体的に決める」「取り組み方を具体的に決める」と解決する場合が多いようですが、本当に一人ひとりさまざまです。そこで、ここにタイプ別の引っかかりやすい家庭学習の注意点をご紹介します。
心の声が大きいタイプの家庭学習の注意点
本当に優しい子が多く、やりたいことのためにがんばれるタイプです。まずは本音を聞きましょう。
「将来はこうしたい」「この高校に行きたい」という言葉が出たらGO!
そこに合格するためにがんばろうと伝え続けます。
先が見えないと不安になるので、「まずはこれをここまでやろう」「次はこれをする」と、各教科の目安と方針を伝えてから学習するといいです。
一方で、良くも悪くも「やりたいことを優先しがち」。
次のページへ「こだわりが強い」タイプはどうする?