「女心と秋の空」という言葉どおり変わりやすい天気が続いています。今年はとくに台風の発生が遅かったためか、まだまだ注意が必要のようです。
そして、秋といえば「食欲の秋」。ブドウがおいしい季節になりました。最近、スーパーでも多種多様なブドウが並んでいて、「どれを買ったらよいか」悩んでしまうことも……。そこで、今回はそれぞれの品種の特長についてご紹介します。
ぜひ、知って、見て、食べて、お気に入りのブドウを見つけてください。
ブドウの歴史
ブドウの栽培の歴史は古く、約5000年も前から栽培されています。バナナやかんきつ類などとともに、世界中でもっとも多く生産されている果物のひとつです。
品種は1万種以上あるとされ、世界では生産量の8割がワインの原料として消費されているのに対して、日本では8割が生食用として消費されています。
ブドウの種類は、黒・緑(白)・赤
日本で生産される品種の数は約100種類にのぼります。すべてを知ることは難しいですが、ブドウは果皮の色で「黒」「緑(白)」「赤」の3つに大別されることを押さえておきましょう。
ちなみに、果皮の色は、未熟なうちはどれも緑色ですが、成長の過程で赤や黒の色素が作られ変化します。緑系のブドウは色素が作られないため、熟しても緑色のままです。
では、果皮別に特長と人気種をみてみましょう!
【黒皮】 糖度が高く、濃厚でジューシー。懐かしさを感じる味わい
●巨峰
「ブドウの王様」と呼ばれ、日本でもっとも生産されている品種。種ありと種なしがある。
●ピオーネ
巨峰×マスカットの交配種。香りもよく、糖度も高い。巨峰より果粒がひと回り大きい。種なし栽培が盛んで、巨峰と並ぶ人気種。
●藤稔
国内の黒系大粒種の中で、もっとも大きい品種。酸味が少なくジューシーな食味。
【緑(白)皮】 甘さ強く、香りも高い。肉質が優れ、上品
●マスカット・オブ・アレキサンドリア
別名「ブドウの女王」。日本でマスカットといえばこの品種を指すといわれるように、高級ブドウの代名詞。甘味も香りも強く、大粒。
●シャインマスカット
近年人気のシャインマスカットは、2006年に品種登録された新しい品種。香りと糖度が高く、皮ごと食べられる。マスカット・オブ・アレキサンドリアより価格も手頃で、コストパフォーマスが高い。
●ロザリオ・ビアンコ
ロザキ×マスカット・オブ・アレキサンドリアの交配種。世界的に食味評価が高い2品種であり、外観・食味とも優れており、シャインマスカットと並ぶ人気種。
【赤皮】 糖度と酸味のバランスが絶妙。
●デラウエア
種なしブドウの定番。手頃な価格で古くから一般的に親しまれてきた品種。米国デラウエア州で育成されたため命名された。極早生品種で7月頃から店頭に出まわる。
●甲斐路
別名「赤いマスカット」。香りもよく、糖度が高い。
●安芸クイーン
巨峰同士の交配から生まれた品種。食味は巨峰と似ていて、糖度が高い。
ブドウの栄養価
【ブドウ糖による疲労回復効果】
体内に吸収されやすいブドウ糖や果糖などの糖質が多く含まれており、疲労回復効果が高い。
【ポリフェノールによる抗酸化作用】
皮や種の部分に多くのポリフェノールが含まれ、抗酸化作用、血圧効果、抗ガン作用など、多くの効果が期待される。
とくに黒皮と赤皮のブドウには、「アントシアニン」が含まれており、目の疲れや視力回復につながると期待されている。
また、「レスペラトール」という成分が、食物アレルギーの発症を抑える効果があるとして、近年、注目されている。
── ブドウは手軽に食べられ、栄養価も高い果物です。品種の違いを楽しみながらいろいろな種類のブドウを味わってください。