順天堂大・吉岡大翔
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 正月に行われた第101回目の箱根駅伝を制したのは青山学院大だった。そして2位・駒澤大、3位・国学院大のトップ3に、早稲田大、中央大が続き、6位以下は城西大、創価大、東京国際大、東洋大、帝京大。この10校がシード権を獲得し、来年の箱根駅伝もこの10校の中から十中八九、優勝校が出るはずだ。だが、その他にも楽しみな大学は多くある。

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 今度こそシード権獲得が期待されるのが、順天堂大だ。オリンピアンの三浦龍司(現SUBARU)が卒業し、新たに「下剋上」をスローガンに掲げた今回の箱根は、予選会を東京農業大にわずか1秒差の10位でのギリギリの通過となったが、本戦では10位の帝京大とわずか7秒差のレースを展開した。出走メンバーを見ても10人中3年生以下が7人。1、2年生がそのうち6人、エントリー16人の中では1、2年生が実に10人を占める。

 特に5000mの高校記録保持者ながら1年時は不振が続いた吉岡大翔(2年)が、今回は7区で区間2位の快走を披露したことは今後へ向けても大きな収穫になる。さらに5区13位の川原琉人(1年)、6区8位の林龍正(2年)と山区間の経験も持ち越せる。チーム全体としての“伸びしろ”が期待でき、今回のあと一歩の悔しさも「次」に繋がるはずだ。

 箱根の経験と今後の“伸びしろ”という面では、神奈川大も楽しみだ。今回は1区で20位と出遅れ、その流れを引きずったまま往路18位での折り返し。翌日の復路では6区の上田航大(1年)が区間6位と好走して16位に順位を上げたが、それ以降の追い上げは叶わず、そのまま16位フィニッシュとなった。その中で、予選会で途中棄権したエースの宮本陽叶(3年)が2区で17位も、来年はさらにタイムを伸ばしてくれるはず。そのエースも含めて出走10人全員(3年生4人、2年生5人、1年生1人)がチームに残るという点は非常に楽しみ。まだ皮算用の段階ではあるが、今回のチーム力に今後1年間の練習量をそのまま“上積み”できるはずだ。

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立教大、山梨学院大、駿河台大にも注目