話題となったのが、立教大だ。創立150周年に合わせた強化が実り、2023年の第99回大会で55年ぶりの本戦切符を手に入れるとそこから3年連続で本戦出場を果たしている。順位は18位、14位、13位でシード権獲得はならなかったが、今回は予選会トップ通過での出場であり、上野裕一郎前監督の不祥事を乗り越え、高林祐介監督の下でチームは着実に力をつけてきている。戦力的には今回の出走メンバー10人中5人が卒業したが、箱根を欠場したエースの国安広人(3年)と、ハイレベルだった2区を区間7位で走った馬場賢人(3年)が残り、山登り候補の木島陸(2年)、2年連続で山下りを担当した原田颯大(2年)の存在も大きい。1962年の第38回大会以来のシード権を獲得できる力は持っている。

 箱根18位に終わった山梨学院大も、来年はさらにチーム力をアップさせて戻ってくるはずだ。今回の箱根では、出走した4人の4年生たちが区間順位19位、20位、20位、20位と振るわず。3年生以下のメンバーには、ジェームス・ムトゥク(3年)、ブライアン・キピエゴ(2年)の強力な留学生に加え、2年連続で5区を走った弓削征慶(3年)、8区で区間3位と快走した阿部紘也(1年)などがいる。昨年2月に就任した大崎悟史監督の下、チームは上昇気流に乗っており、箱根予選会は3位通過とチーム力は高い。来年の正月には、第92回大会で8位となって以来10年ぶりのシード権獲得のシーンを見ることができるかも知れない。

 そして今回の予選落ちの大学の中では、駿河台大に注目だ。今回は予選会16位に沈んだが、前回の第100回大会の箱根1区で見せ場を作ったスティーブン・レマイヤン(2年)、4区を走った東泉大河(3年)などを筆頭に、当時の出走10人中9人が新チームとなっても在学している。元法政大エースとして箱根を沸かせ、2012年に駿河台大の監督に就任してチームを作り上げてきた徳本一善監督が2025年3月末をもって退任することが明らかになった影響はあるだろうが、徳本監督への恩返しの意味でも能力の高い選手たちが揃っている来年の箱根は“勝負のレース”にしたいところだ。

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