山内達仁さん:障害のある人の外出をサポートする移動支援事業所「太陽ホスピタリティー」(静岡県)の代表。一般旅行業務取扱主任者などの資格を持つ。特別支援学校の添乗業務も受ける(写真:大楽眞衣子)
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 特別支援学校の修学旅行では、交通機関や宿泊先、レストランや土産店など各所で特別な配慮が必要となる。障害者の旅行支援に詳しい山内達仁さんに必要な配慮を聞いた。AERA 2025年1月20日号より。

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 まずは交通機関。新幹線には車いすに乗ったまま固定できる「車いす対応座席」があります。こうした座席や個室の確保、乗降駅での駅員誘導依頼が必要です。ほかの特別支援学校の修学旅行と重なる場合もあるので要注意です。現地ではリフト付きタクシーを利用することもあります。

 宿泊施設には破損やけがを防ぐため、部屋の湯のみやグラス、装飾品を予め撤去してもらいます。大浴場は貸し切り時間を設けてもらい、安全を確保します。入浴介助のためある程度の広さが必要な場合もあります。

 食事は刻み食やとろみ食などの情報を事前に施設に伝えておきます。それでも加減が異なる場合は先生たちが持参したミキサーなどの調理器具でその場で調整します。買い物では時間がかかることを想定し、土産店に専用レジを依頼することも。このほか、バリアフリー動線や多目的トイレの確認は必須です。

 知的障害や自閉症の生徒さんには言動への配慮が必要です。本人が落ち着くための時間とスペースが確保できるとベストです。

 こうしたユニバーサルツーリズムのノウハウについて、松本和久・岐阜聖徳学園大学教授と共同研究で、リーフレット「特別支援学校の修学旅行を計画する際のポイント」にまとめました。楽しい修学旅行を実現するために、ぜひ活用していただきたいです。

(ライター・大楽眞衣子)

※リーフレット「特別支援学校の修学旅行を計画する際のポイント」は、岐阜聖徳学園大学特別支援教育専修のホームページ内( https://gifushotokusen.com )からダウンロードできる

AERA 2025年1月20日号

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