ここまでは普通の投信でも同じこと。ほかにETFならではのポイントはないか。
「個別株と同じように、流動性の高さ(取引が成立しやすいこと)も大事です。
日々、活発に売買されているかどうかは、出来高や売買代金、板情報を見ればわかります。
出来高や売買代金が極端に少なかったり、板がスカスカだったりすると、スムーズに約定しない場合も考えられます」
出来高は取引所で売買が成立した数量(ETFの場合、口数)を意味する。
売買代金は成立した取引額の合計のこと。これらが多いほど、活発に売買が行われていて、自分が出す注文も成立しやすい。
カイ離率0%前後
板情報とは、取引所に出ている売りと買いの注文数を気配値(注文価格)別にリアルタイムで表示したもの。左に現在の売り注文、右に現在の買い注文の数量が表示される。
株価ボードのような、といったら伝わるだろうか。
「板が厚い(注文数量が多い)ことが大事です。そして、最も安い売りの気配値と最も高い買いの気配値の差が小さいほど自分が出す注文が約定しやすい」
このあたりはネット証券にログインし、株式市場が開いている時間(9時〜15時30分、昼休みあり)に「探検」してみるといい。実際に触れてみると覚えるのが早い。
また、「カイ離率」と呼ばれる数値もETF選びのチェック項目になるという。
「カイ離率とは、市場価格(直近の取引成立価格)と、ETFの本来の価値を意味する基準価額を比較して算出した数値のことです。
一般的にはカイ離率が0%に近い水準で推移しているほど、市場価格が基準価額に近い水準で売買されている、と判断されます」
初心者には難しすぎる……。
「『カイ離率が0%に近いかどうか』を、まずは数字の確認だけでいいので運用会社のホームページなどで確認してみてください」
カイ離率は、吉田さんが注力するウェブサイト「東証マネ部!」のETF銘柄ページでも確認できる。吉田さんが遠慮して言わないので、代わりに書いておいた。