アクティブETFは初上場からやっと1年過ぎたところなので、日本では知られていない。
海外では、アクティブETFの黎明(れいめい)期である2009年には33銘柄しかなく、残高は20億ドルだった。それが2024年7月末現在、2743銘柄に。
残高は9740億ドル(141兆2300億円/1ドル=145円換算)。15年で487倍に成長した。
「ここ数年、米国ではアクティブETF人気が盛り上がっているようで、新規上場が相次いでいます。
グローバルでは、ETFの純資産総額全体に占めるアクティブETFの割合は当初の0.2%から7.3%にまで拡大しています」
高コストでも儲かれば
有言実行で指数よりも高いパフォーマンスを達成できるなら、東証のアクティブETFも人気が出てくるだろう。
インデックス型より運用の手間がかかる分、コストは高めになるが、それを凌駕(りょうが)する利益が出せれば。
東証のアクティブETFの運用ははじまったばかりだが、成績はどうか。
前川さんに、2023年9月に上場した6銘柄の累積トータルリターンを検証してもらったところ、2024年8月末時点では6銘柄中3銘柄がTOPIX(東証株価指数)を上回っていた。
「新NISAの長期運用などでは代表的なインデックス連動のETFや投信を中心に据えるのがいいと思います。
そのうえで、ご自身の市場見通しや運用戦略に応じてアクティブETFを補完的にご利用いただければと考えています」
取材・文/大西洋平、中島晶子(AERA編集部)
編集/綾小路麗香、伊藤忍
『AERA Money 2024秋冬号』から抜粋