今年3月、“車椅子インフルエンサー”の中嶋涼子さん(38)が、映画館での介助を断られたことを「悔しい」とXで報告したところ、「自分勝手すぎる」などと批判が殺到する騒動があった。AERA dot.は当時炎上の渦中にいた中嶋さんに取材し、本人の思いを記事にした(映画館での“介助”をめぐり炎上した「車椅子インフルエンサー」が明かす、“騒動への思い”と驚きの“後日談”)。しかし、騒動はその後、予想外の展開を迎えていた。中嶋さんが「あの時の悔しさは無駄ではなかった」と語る“後日談”とは。
【写真】「電動車いすでどこまで逃げられるかな」中嶋さんに届いた殺害予告
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3月15日、映画好きの中嶋さんはいつものように「イオンシネマ シアタス調布」を訪れた。あいにく、目当ての映画「52ヘルツのクジラたち」は、全席プレミアムシートで車椅子席やスロープのない「グランシアター」でしか上映されていなかった。
そこで中嶋さんは、これまで同様、劇場スタッフに車椅子を持ち上げてもらって座席に移動し、鑑賞した。しかし帰り際、スタッフから「グランシアターは段差があって危なく、スタッフも時間があるわけではないので、今後はこのスクリーン以外で見てもらえるとお互いいい気分でいられると思うのですが……」という懸念を伝えられたという。
突然介助を断られたことにショックを受け、映画館のトイレで泣いたという中嶋さん。その日、一連の経緯をXで発信すると、「介助してもらえるのが当然と思うな」「感謝が足りない」といったバッシングに見舞われた。
「ダイレクトメールでは、『俺がお前を殺してやる。障害者様が通用するのは今日までだ。電動車いすでどこまで逃げられるかな。せいぜい楽しませてくれよ』などと殺害予告が何件も届いて、警察に被害届を出しました。犯人はその後逮捕され、そのほかの誹謗中傷にも法的措置を取ることにしましたが、さすがに怖かったです」(中嶋さん)