だが、テレビ離れがささやかれる昨今、平成のトレンディードラマを知らない若者世代には、織田はどう映っているのだろうか。

ℤ世代には阿部寛と織田裕二の区別がつかない!?

Z世代には確かに知名度は低いようです。SNSでは親世代の『子どもたちは織田裕二のことを知らない』という書き込みや、Z世代の部下に『事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ』という有名な決めゼリフを披露したら無反応だった、という内容の書き込みも散見されます。20代後半くらいの世代だと、モノマネ芸人の山本高広の存在もあり、知っている人は多いのですがZ世代は山本の存在さえ知らないようです。『阿部寛と織田裕二の見分けがつかない』という声もありました」(女性誌ライター)

「東ラブ」リメイク版で知った

 一方で、20代後半以降の視聴者にとって、織田のイメージは圧倒的に「世界陸上」だろう。

「俳優というより『陸上番組でいつもアツイ人』という認識でしょう。25年にわたってメインキャスターを務めた一方で、出演作が激減した時期とも重なるので、そういうイメージになるのも仕方がない。同番組で出た『地球に生まれて良かったー』や『霊長類なめんな!』など数々の名言を、山本高広さんがモノマネの定番レパートリーにしていたこともあり、モノマネで初めて織田さんの存在を知ったという若者も多い。一方で『東京ラブストーリー』は20年に配信ドラマでリメイクされたのですが、それを見て本家のほうもチェックする若者も結構います。リバイバルブームも重なり、昨今では平成期のトレンディードラマの配信も盛んなので、20代後半の若者には一定の知名度はあると思います」(民放ドラマ制作スタッフ)

 芸能評論家の三杉武氏は、織田についてこう述べる。

「織田さんといえば、ドラマに関してはほぼすべてがフジテレビとのタッグだったので、今回、テレビ朝日の作品に出演するのはとても意外でした。若いころに主役を張っていたトップクラスの俳優でも、年齢やキャリアを重ねて味のある脇役を演じ、作品に厚みをもたらすことはよくあります。織田さんに関しては“主演”にこだわって俳優業を続けていた印象があるので、今回の30年ぶりの脇役が話題になるのもうなづけます。心境の変化があったのかもしれませんが、一部報道によれば、小学生になったお子さんに芝居を見せたいという意向もあるようですね。ドラマの中でこれまでにない立ち位置でどんな演技を見せてくれるのか注目したいと思います」

 新しい織田の時代が「キターー!」と思えるくらいの演技を期待したい。

(高梨歩)

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