田邉亨(たなべ・とおる)/りんご塾代表。1968年、滋賀県生まれ。ニューヨーク市立大学とペンシルベニア州立大学で学ぶ。2000年に「りんご塾」を滋賀県彦根市に設立、「算数オリンピック」「そろばん検定」「思考力」を重視した学習教室を運営。2024年10月には全国に約250教室を展開。著書の『算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル』シリーズは5冊刊行され、累計発行部数は30万部を突破。2024年11月には新刊『5教科の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル』シリーズが発売となる。

 開校当初からパズル教材を作成して使っていたが、9年ほど経ったころ、優秀な小学5年生が入塾した。その子どもと田邉先生の二人三脚で、初めて算数オリンピックに挑戦した。

 結果は残念ながら、あと4点が足らず予選落ちで、メダルには及ばなかった。中学生になっても挑戦し続けたが、結局一度もメダルは取れなかった。

「メダルが取れなかったのは申し訳なかった。『もっとやれたはずだ』と振り返って改善した点を、次に挑戦する生徒に応用して、少しずつメダリストが生まれていきました」

 2024年の算数オリンピックでは、りんご塾から金メダルは5人、銀メダルと銅メダルは計31人が受賞した。過去最高の成績は、悔しさから始まった経験の積み重ねだ。

 田邉さんは「天才性を伸ばして、メダルをたくさん取らせてあげたい」という。

 りんご塾で初めて算数オリンピックに挑戦した子どもは、現役で京都大学に合格した。初めてメダルを取った子は、大学を卒業し社会人になる年齢だという。

 りんご塾で学んだ「天才」たちが、社会で大きな成果を上げる日は近そうだ。

(ライター・梶塚美帆)

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