繰り上がりの計算を習得させるためには、先述の「砂時計」のほかに、この「ドミノ筆算」も役立つ。『算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル ふつう』(Gakken)から

 劣等感を抱えていた子が自信を持って初めて、「講師との信頼関係ができる」のだという。

「信頼関係があれば、これから先その子がどこでつまずいても、講師の声に聞く耳を持ってもらえます。だから、このプロセスは非常に重要です」

子どもの天才性を伸ばしたい

 子どもが自信を取り戻せば、苦手の克服に取り組むことができる。

 りんご塾のパズル形式の問題が役立つのはここからだ。たとえば、高学年でも繰り上がりの計算からできていないとわかったら、関連するパズルをたくさん出題して、習得させていく。

 なぜ田邉さんは、子どものプライドを守ることにこだわるのか。そのわけは「子どもが持つ天才性を伸ばしたいから」だ。

「子どもには素直さ、知識欲、向上心、表現力などの天才性が備わっています。それを低学年のころから、一度も壊さずに伸ばしていきたい」

算数を得意にするなら、まず漢字を学ぶ

 りんご塾が受け入れるのは、原則として年長の秋以降の子どもたちだ。

 小学校入学前の幼児の親からよく聞かれるのが「算数を得意にするためには何をしておけばいいか」だ。

 田邉さんの答えは、意外なことに、「まず漢字の読みを教えてください」。

「天才的」と言われる子のほとんどは、小学校入学までに小学6年生までの漢字が読める。漢字が読めれば、図書館に行っても、興味がある本をどんどん読むことができる。

「ほとんどの子どもは本を読むのが好き。なぜ本を読まないかといえば、漢字が読めないからです。僕たちがアラビア語交じりの文章を見たら、わからなくて読む気がなくなりますよね。子どもたちの『もっと知りたい』を阻害しているのは漢字です。だから、漢字の読みだけを教えてください」

 まずは漢字の読みをしっかりやっておくと「高校3年生までの勉強は苦労しなくなる」と田邉さんは言う。

メダリストを育てる塾になったわけ

 りんご塾は初めから天才的な子どもたちが集まる塾ではなかったという。

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