空いているマスを埋める「砂時計」という問題。繰り上がりのたし算ができれば解けるパズルだ。レベルが上がるとマスが増えていく。『算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル ちょっとやさしめ』(Gakken)から

少し頭を使わないと解けない問題を出す 

「低学年のうちから、少し頭を使わないと解けない問題を出すことです。たとえば、7+5=12でも、『7+〇=12』という問題にするといったように、少し頭を働かせて7+5=12を使って解く問題にします」

 りんご塾は一般的な学習塾とは違い、自作のパズル形式の問題を使っている。

 パズル形式の問題は、もともとは後述する「勉強が苦手な子どもたち」のために作られたもの。学年を遡って学び直せば、子どものプライドが傷ついてしまう。何年生のどの単元の問題をやっているのかわからなくするために、問題をパズル形式に変換していた。

 このパズルが「ずば抜けて頭のいい子どもたち」にもハマったのだ。彼らは学校で習うことを先取りして、自ら難しいパズルをどんどん解いているという。

学年で区切らずにどんどん飛び級

「りんご塾では学年を区切らずに、できる子はどんどん飛び級させます。『7+5=12』が退屈だと思っている1年生も、少しずつ難しい問題を与えていくと、楽しくてどんどん解くようになります。頭を使うことがおもしろいのだとわかってくるんですね」

 しかし、飛び級ができると、いつかはできない問題にぶつかるはずだ。子どもはそこでくじけたりしないのだろうか。

「自分の学年で習う問題がわからなかったら、焦ったり卑屈になったりということはあります。でも、上の学年の問題がわからなくても子どもは自信をなくしません。克服のしがいがある問題だと捉えます。だからチャレンジを続けられるのです」

劣等感を抱える生徒が自信を取り戻すには

 りんご塾には、勉強が苦手で劣等感を抱えた子どもたちも集まる。そんな子を伸ばす方法は「天才的」な子どもを伸ばす方法とは少し異なるという。

 劣等感を抱えている子は「萎縮していて、何かを教えても知識が入っていかない状態にある」。だから、勉強のスタート地点に立つ前に、まずは「自信を持ってもらう」という。

「まずは漢字テストに絞って、次のテストまでに覚えるべき漢字を何度も練習します。漢字は暗記ができればテストでいい点が取りやすい。中学生の場合、理科の生物と地学ならある程度は暗記で乗り切れるので、それで自信をつけることもあります。教科を絞って暗記すれば、今まで取ったことがないような高い点や満点を取ることができます」

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算数を得意にするにはまず漢字を学ぶ