木村麻里子社長のインタビューで聞き手となった編集長(撮影/写真映像部・上田泰世)

――アマチュアですよね。会社で企画はすんなり通りましたか。

木村:それが、社内で企画書を出したら「面白いね」って。思い切ってチャレンジさせてもらえた仕事のひとつですね。企画やプランニングは、目の付け所がとても重要です。個々が持っているセンスの見せどころですよね。私はこのときCDの選曲を、その筋の人しかわからないようなマニアックなものに敢えてしてみました。それは私が吹奏楽を以前やっていたからできたのです。我々の仕事は好きなことを広げて、得意なところを大いに生かしていくといい結果に結びつきやすいものだと思っています。

 さらに、成功しいている人たちをみていると「こういうものをこういう人たちに届けたいんだ」という明確なビジョンを持っているなと。絵を描くこととチャレンジ、すごく大事だなと思います。

 やりたいこと、広めたい人やものに出会ってしまったら、ストレートに、会社に思いを伝えて、それが通らなかった場合でも、通らなかった理由を一度立ち止まって考える。そしてまたチャレンジする。思いがあるなら、抱えていないでしっかり伝える熱量も必要なのかなと。

木村麻里子社長(撮影/写真映像部・上田泰世)

――プロのミュージシャンたちのとの仕事で特に感銘をうけた経験を教えてください。

木村:入社から17年くらいの頃、東日本大震災の発生直後にプリンセスプリンセスが被災地支援のために再結成したプロジェクトがありました。わたしはちょうど育児休業明けで、そのプロジェクトに参加したんです。バンド解散後、5人のメンバーにはそれぞれ違った形の生活が在って大変だったんじゃないかと思うんですが、メンバーの強い思いによって本当に大きな支援ができた活動でした。同じ女性が日々の色んなことを調整しながら、信念を持って一度やると決めたことを成し遂げていく姿、そしてそこに賛同してくださったお客様が集まってくださる光景を見たときには、感動と尊敬の気持ちでいっぱいになりました。本当に貴重な経験をさせてもらったなと感謝しています。

〉〉【後編:40代の育児、乳がんを経て女性初の社長に ソニー・ミュージックアーティスツ木村麻里子さん「ダメだったら、その時考えよう」マインド】に続く

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