ずいぶん前から気にはなっていたが、そうはいってもわずか10分の番組だし、なにも目くじらを立てることもあるまいと放置していたが、いよいよ我慢ならなくなった。
「○○!投稿DO画」。毎週火曜よる11時から放送される番組だ。中身は視聴者からの投稿動画やインターネット上の動画を紹介するもので、投稿者のコメントを紹介するなど工夫は見られるものの、やはりネット動画を流しているだけという印象は拭えない。毎回、異なるテーマが設けられ、「○○!」の部分にそのテーマを入れてタイトルとしているようだ。
4月5日の放送は「ありえない!投稿DO画」だった。「爺POP」「5本のギター」「幼児の壁ドン!」「V字ネコ」の4本が紹介されたが、これがどこかで見たものばかり。たとえば「爺POP」。高知県を全世界にアピールすべく結成された平均年齢67・4歳のグループで、正式名は「爺―POP from 高知家 ALL STARS」で、「高齢バンザイ!」という曲でメジャーデビューしている。「あさチャン」(TBSテレビ)、「めざましテレビ」(フジテレビ)ほか多数の情報番組で紹介しているのを何度も目にした。「5本のギター」も前日の「世界まる見え!1000回突破SP」(日本テレビ)で見たばっかりでびっくりだ。
百歩譲って、番組独自の動画を見せるというのなら許す。が、ネットで何万回も再生され、他局でもさんざん使い倒されている動画を紹介することに意味があるのか、そこにテレビ局としての矜持はあるのかと問いたい。
たとえ民放が嬉々として動画を紹介していたとしても、天下のNHKが一緒になってやることはないと思うが。それともそんなふうにNHKを特別視すること、NHKに過剰な期待を抱いてはいけないのだろうか。
というのも、最近のNHKは民放の後追いをしているような……。とくにバラエティ番組にその傾向が見られる。ゲストだけでなく、司会にも芸人やタレントを起用。この4月スタートの番組でも、「うたコン」の谷原章介や「バナナ♪ゼロミュージック」のバナナマン、嵐・相葉雅紀の「グッと!スポーツ」と、民放でおなじみの顔ぶればかり。NHKにはアナウンサーが腐るほどいるのに、なぜ使わないのか疑問だ。
「LIFE」の三津谷寛治ゼネラル・エグゼクティブ・プレミアムディレクターのように「NHKなんで」ときっぱり言えるような番組を作って、ということで、今月のダラクシー賞を贈呈する。
●ひやま・たまみ 実の父親にハリセンボン春菜と間違われました。せつないです。