不信任決議やテレビのインタビューについて発信した斎藤知事(斎藤知事のXから)

 先の自民党県議はこう見る。

「本当は県議会を解散したいのだろうが、選挙費用が16億円かかると先に報じられて県庁にも抗議の電話が多くあり、さすがに躊躇しているのだろう。そこで、出直し選挙に持ち込もうという考えではないか。27日に会見をする理由を『週末にやると県職員が休日返上になる』と今になって気遣ったふりをしているが、その日は自民党総裁選で新総裁が決まる日なので、批判報道も少ないという魂胆かもしれない」

 斎藤知事が出直し知事選に踏み切りそうだという見方は広がり、各政党の知事選へ向けた準備も急ピッチで動き出した。

 これまで兵庫県知事は、1962年に就任した金井元彦氏から現在の斎藤知事まで5人連続で内務・総務官僚出身者が続いていて、長く「指定席」のようになっていた。とくに斎藤知事以外の4人は、みな副知事から知事にという流れだった。

 斎藤知事の後任の知事候補選びで、県政与党であった自民党は、服部洋平副知事に出馬を打診したが、拒まれたという。先の自民党県議は、

「自民党として斎藤知事を推すわけにはいかないので、新たに候補者を探すしかない。総裁選いかんでは、早期の衆院解散総選挙になるので、誰か出さないと。ただ候補者が乱立すると、一連の問題で悪名ではあるが知名度がアップした斎藤知事に同情が集まって有利になるかもしれないので、勝てる候補者を探さないといけない」

 と、知事選と衆院選とのダブル選挙も視野に、気が焦る様子だった。

 複数の自民党県議を取材すると、服部副知事に断られた後、元官僚のN氏やG氏が候補として名前が挙がっているという。

 一方、自民党と同様、選挙で斎藤知事を推薦し、県政与党だった維新は、
「斎藤知事への推薦は出せない。維新として候補を出したい」
 と兵庫維新の会代表、片山大介参院議員が斎藤知事を「切る」考えを明かしている。

 維新では、知事選候補として朝日放送の元アナウンサーで兵庫県選出の清水貴之参院議員の名前が浮上しているという。

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