県議会が不信任決議を可決し、瀬戸際に立たされている兵庫県の斎藤元彦知事。9月27日までに意思表明する考えを示しているが、県内政界では、「議会を解散せず、辞職・失職によって出直し選挙に出るつもりではないか」との見方が広がっている。
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斎藤知事は25日、報道陣の取材に、「最終的な段階にきている。すごく悩んでいる」と述べ、まだ決断しきれていないという心中を述べた。
県議会が9月19日に不信任案を可決したため、斎藤知事は10日以内に自ら辞職するか、県議会を解散しなければ、失職が決まる。知事の判断期限は29日までだが、28、29日が週末になるため、斎藤知事は27日までに進退の意思表明をするという。27日に記者会見を開くと見られている。
斎藤知事は議会で不信任が決まった翌日の20日から25日にかけて、近畿地方の4つの民放テレビ局とNHKに“はしご”出演した。
テレビではインタビューに応じ、元県民局長からの内部告発の文書について聞かれると、
「誹謗中傷、名誉棄損の文書」
とこれまでの主張を繰り返して自身の正当性を訴え、今後の進退については、
「だいぶ気持ちは固まってきている」
などと語っていた。
これについて、県政与党だった自民党県議は、
「テレビ出演は、不信任決議の前から、斎藤知事側が働きかけたと聞いている。県は一切関与していない。テレビで一方的にしゃべりまくり、逆風のなかで世論を自身に振り向けようとしているのだろう」
と話す。
斎藤知事はテレビ出演だけでなく、自らの考えを次々と発信している。しばらく更新がなかったX(旧ツイッター)では、不信任決議が可決されると、
〈県政が今の状況になっていること、県民の皆様にご心配やご不安を抱かせてしまっていること、まずは、心からお詫びします。大きな、重い判断になります。しっかりと考え、決めます〉
と書き、テレビ局の“はしご”については、
〈先日からインタビューの機会を頂いています。まだまだ、言葉や表現が足りないところもあるかと思います。それでも、できるだけ自分の思いや考えを、自分の言葉で丁寧に伝えていきたい〉
と発信。まだまだ知事職を続ける意欲があるようにも読める。