自民党総裁選挙が終盤に入った。全国紙などが行う世論調査では、石破茂、小泉進次郎、高市早苗の3氏が他の候補を引き離していて、 そのうちの2人が 決選投票に残ることがほぼ確実な情勢だ。
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私はある陣営から自民党の党員・党友だけを対象にした9月16日実施の調査結果を入手した。2000人超の回答を得ているので、かなり信頼できるものだ。
それによると、石破氏の支持率が34.9%と非常に高い。1週間前にも同じ調査が行われたが、石破氏の支持率はほぼ変わらず安定的に推移しているそうだ。
一方、2位と3位には異変が起きた。1週間前には石破氏の後を追って小泉氏が2位につけていたが、今回の調査では2位が高市氏となっている。しかも高市氏が21.7%、小泉氏が17.2%で、その差は4.5ポイントも開いた。
小泉氏はもともと圧倒的に知名度が高く、序盤では石破氏と互角かそれ以上の支持を得ていたが、時間とともに失速するのが明確になった。
一方の高市氏は、小泉氏や石破氏に比べると、全国的な知名度はかなり低く、序盤での支持率は両氏にかなり引き離されていた。しかし、その後急速に支持を伸ばし、16日時点で小泉氏を抜いただけではなく、かなりの差をつけている。このまま行けば、高市氏と小泉氏の差はさらに広がりそうだ。
総裁選の決選投票では、石破対高市になる可能性がかなり高くなっているわけだ。
自民党員は、自民党内の動きには一般人よりもはるかに詳しい。
本コラムでは、1月下旬に行われた党員調査を紹介したことがあるが、その時も例えば上川陽子外相の支持率が意外と高かったのに驚いたのを覚えている。麻生太郎元首相が上川氏を持ち上げる発言をして注目され、一般の人はほとんど知らなかった時点の調査だったので、自民党員がいかに一般人よりも自民党内のことをよく知っているかが分かった。
今回も党員が小泉氏の発言などを詳しく見ていくことにより、同氏の実力に疑問を感じる人が増えていったということなのではないかと推測される。