後藤:早いタイミングで気がつけてよかったですね。僕は、自分が重度のうつ病の一歩手前までいき、そこで初めて睡眠は大切だと気がついたんです。休職後は、普通に仕事に戻れましたか?
荒木:3カ月の休職後は総務部所属になり、その後、営業に戻りました。Amazonなどのネット書店や電子書籍の流通や売り方に興味があったので、書店ではなく電子書籍の営業です。
私が入社した2008年以降から街中の書店は減っていましたが、電子書籍の方は取次やストアが増えていたころ。電子書籍や音声メディアなどの売り方を学んでいきました。
どうやったらネット書店で本のランキングが上がるのか、どうやったらスムーズに流通させられるのか。結果、マーケティングをきちんと勉強した方がいいと思い、今はデジタルメディア局で働いています。
『中高年リスキリング』の中にも書いてありますが、業務時間中に新しいことを勉強できたら1番ラッキーなんですよね。Amazonの広告システムは、日々変わっていく。それに追いつくのにひたすら仕事中にAmazonのことを研究しました。
後藤:営業でも対人関係が重要視される仕事をこなし、2015年ごろから、 徐々にマーケティングの仕事に注力するようになったんですね。
同じ本でも売れ方が違う
荒木:リスキリングという意味では、同じ本を売るにしても、ネット書店と街中の書店では、広告の打ち方だったり、販売の仕方だったりが違う。
同じように宣伝して同等に売れる本もあれば、紙と電子で意外と売れ方が違ったりもする。その差を自ら体験したことは、非常に学びになりました。
後藤:東洋経済新報社に入社してから、いろんな技能を身につけていると思います。ここで整理をしたいのですが、各部署で自分に備わったと思うスキルを具体的に教えてください。