「若い世代のミュージシャンに影響されることも多い」と話す横山剣さん(写真/写真映像部・上田泰世)

「トレンチコートでキメたおじさんがマッチングアプリを使ったらどうなるかな?って想像してたら、面白くなっちゃって(笑)。“会う約束までしたのに、すっぽかされたおじさん”を歌詞にしました。早川義夫さんの『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』というアルバムがありますが、かっこ悪いぐらいかっこつけてるおじさんはなんてチャーミングなんだろうと。ちょっとややこしいですが(笑)」

 ロック、ソウル、ファンク、歌謡をはじめ、様々な時代の音楽が混ざっているのもCKBの魅力。ファンクの帝王“ジェイムス・ブラウン”を想起させるリズムやダンサブルなロックンロールが一つになった楽曲「ハマのビート」にも、CKBの音楽的なスタイルが色濃く反映されている。

「ザ・ゴールデン・カップス(GS時代に活躍した横浜のバンド)やCHIBOWさん(本牧のボスと呼ばれるミュージシャン、竹村栄司)のようにルーツ音楽に根差して活動するのが一番カッコいいと思いますが、CKBにはいろんな要素が混入してる。港町のカオスな側面を担っているのかもしれないですね。香港やシンガポールもそうですけど、港町にはどんなに表面を消毒しても滲み出てしまう匂いがあるし、洗練し切れない何かがあって、それこそが面白いところなんですよね」

エンブレムには「CKB」「CRAZY KEN BAND」の文字が(写真/写真映像部・上田泰世)

 若い世代に影響されることも多い

 70年代の洋楽ポップスの香りが漂うロマンティックな楽曲「おお!マイガール」、“目覚めたら午後5時だった”な休日を描いた歌詞が印象的な「黄昏急行」、愛犬との別れがモチーフになったという壮大なバラード「Sha na na na na」など、じっくり聴かせる楽曲もたっぷり。共通しているのは、古き良き音楽を現代的なポップミュージックへと昇華させるセンスだ。

「クラシックカーのカスタマイズと似ていて、古いものをベースにしながら、“今だったらこうするよね”と改良を加えると言いますか。若い世代のミュージシャンに影響されることも多いですね。

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