クレイジーケンバンドの横山 剣さんは1960年生まれ、神奈川県横浜市出身(写真/写真映像部・上田泰世)
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“東洋一のサウンドマシーン”こと横山剣が率いるクレイジーケンバンド。デビュー25周年を迎えた現在も、年に1枚のペースでアルバムを発表し、ライブやイベント出演なども精力的に行っている。「来年は65歳。いつ何があるかわからないから、今やりたいことをすぐやる」と語る“剣さん”に、生涯現役を続ける秘訣を聞いた。

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「イイネ!」のポーズを決めてくれた横山剣さん(写真/写真映像部・上田泰世)

 1998年にアルバム『PUNCH! PUNCH! PUNCH!』でデビュー。2005年に「タイガー&ドラゴン」のヒットによりブレイクを果たしたクレイジーケンバンド(以下CKB)は、もちろん今も現役バリバリ。2022年にアルバム『樹影』、2023年にアルバム『世界』、そして今年9月には通算24作目のアルバム『火星』をリリースするなど、デビュー当初と変わらないペースで活動を続けている。

「今回のアルバムは普段より少なめ(全16曲)なんですが、その分、1曲1曲がシングルみたいに濃いんで、いつもより制作に時間がかかりました。鰻屋のタレみたいに注ぎ足し注ぎ足しやってる感じもあるし、メンバーチェンジとか加齢とかいろんなことがありますが、それも全部ポジティブに捉えて、哀愁もスパイスにしてやれたらなと」

  結成以来、横浜を拠点にしているCKB。新作アルバム『火星』のタイトルも、横浜市鶴見区にあった焼き肉屋の名前に由来しているのだとか。

「バブルの時代にワイルドブルーヨコハマ(大型プール)や沖縄タウンに行った帰りによく寄ってたんですよ、火星。鶴見の“ゴム通り”沿いにあったんですけど、その周辺が京浜工場地帯で、夜中にドライブしてるとスペーシーな気分になって。アルバムを引っ提げたツアーが“火星ツアー”になるのも宇宙旅行みたいだし(笑)、このタイトルにしました」

 タイトル曲「火星」はグルーヴィーなサウンドが気持ちいいダンサブルな楽曲。歌詞の主人公は、トレンチコートの襟を立てて夜の街に佇む、“絶滅危惧種のおじさん”だ。

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