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 地政学リスクの高まりを背景に、日本の防衛予算は拡大中だ。2025年度予算概算要求でも、防衛省が過去最大となる8兆円台を求めると報じられた。予算増を追い風に、三菱重工業や川崎重工業など大手企業の関連部門の業績は上がっている。政府は23~27年度の5年間の防衛費を総額約43兆円に増やす方針だ。防衛産業のすそ野の広がりも期待される。株式の専門家に、これから狙えそうな銘柄を聞いた。

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 防衛費は24年度予算で前年度当初比17%増の7.9兆円が計上された。25年度では、防衛省は初めて8兆円超の予算を要求すると伝えられている。

 25年度は防衛力の抜本強化に向けて予算の総額を約43兆円に増やす5年間の、3年目にあたる。海洋進出を強める中国や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮などを念頭に、島しょ防衛やサイバー対策などを強化する取り組みが盛り込まれるとみられている。

 22年度に1%未満だった防衛費の対国内総生産(GDP)比率は27年度に2%に高める計画だ。

 こうしたなか、株式市場でも防衛銘柄への注目度は高まっている。株式相場が乱高下する前の7月には、米国のトランプ氏が大統領に返り咲く可能性が高まったとして防衛関連株の取引が活発になった。

 トランプ氏が11月の大統領選に勝てば、米中との関係悪化が見込まれる。同時に、トランプ氏はかねて米国の防衛への負担が大きいことに不満を持っており、日本周辺の対応についても関与を減らす可能性が指摘されている。そのため、日本自身で防衛力を高める必要性が一段と増すと考えられたからだ。

 アイザワ証券投資顧問部ファンドマネージャーの三井郁男さんは言う。

「これまで日本のGDPは横ばいといっていい状況でしたが、これからは上向くと予想されています。GDPそのものが増えれば、『GDP比2%』の実額もさらにかさ上げされる。また政府は防衛産業に対しても、海外輸出への道を開いたり、利益率を高められる仕組みを導入したりするなど後押しする姿勢を強めています。長期的な成長が期待できそうです」

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政府の「防衛力強化」の影響は