AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
* * *
Q:17歳上の夫と結婚して2年目になります。子どもはおらず妊活中です。夫のことがとにかく大好きです。毎日夫の匂いを嗅ぐことを楽しみに生きているくらい大好きです。年の差があるので、いつか夫に先立たれたら、と思うとつらくてたまりません。死んでも、生まれ変わってまた一緒になる!と約束していますが、離れることを想像すると涙が止まりません。どうやってこの気持ちを処理したらいいでしょう。(女性/接客業/33歳/おひつじ座)
A:とても素敵だなと思いました。文面からなんとなくですが、相性の良さが伝わってきました。おそらく、相談者さんが持っている細かいルールとか「こうでなければいけない」みたいなものに、付き合ってくれたり、従ってくれたりするお相手なのでしょう。
年が近いと話題が共通していて気が合うこともありますが、その半面、相手がライバルみたいになって勝ち負けが出てしまうこともあります。すんなり従えないというか。年が離れているからこその仲の良さもあるかもしれません。ぜひそのまま、大好きでいてほしいと思います。
その上で、「こんなに幸せなことはない」と思ったら、ぜひそれを周りにお返ししていく感覚を持ってみてはどうでしょうか。
「私はもう本当に幸せでしょうがないから、その幸せのお裾分けをします」と勝手に決めて、行動する。二人だけの世界に閉じこもらずに、世の中にも貢献していくことができたら、それはきっと結果として自分たちに返ってきます。ウィンウィンっていうんですかね。
ギャンブルなんかでも、勝った人が周りにおごる「ご祝儀」という文化があると聞いたことがあります。家を新築するときに餅まきをするのもたぶん同じこと。今では少なくなりましたが、昔は、家の骨組みを組み立て終えた時に地域の人たちを招いて餅や小銭をまく風習がありました。工事の無事を祈り、災いを払う意味、地域の方へのあいさつの意味が込められていると思いますが、こういうのはやっぱり幸せを長続きさせるためのコツというか、昔の人の知恵なんだと思います。
幸せを自分たちだけのものとして閉じ込めてしまうのは怖いことで、絶頂の後は下降するみたいな感覚があるから、絶頂期に少し損をして周りにお裾分けしておく。すごく理にかなったやり方だと思います。そうすれば周りも応援してくれます。絶頂のまま留まって例えばSNSで自慢したりしても、恨みを買うことにしかなりません。
おひつじ座は、パートナーとの間で特殊な関係を築く人が多いです。プライベートだけでなく、仕事のパートナーも含めてです。先頭に立つリーダーが交互に変わるような関係で、「私に任せとけ」と力強く引っ張っていく時もある一方で、ある時期、またはある面に関しては相手に頼りきりになる時もある。引っ張る時と依存する時がはっきりしていて、それがいい関係に結びつきやすいのがおひつじ座のような気がします。
※AERA 2024年9月16日号