地元の有権者と話す掘井議員

自民党に言われて「彼は悩んだんです」

 掘井議員はさらに、元県民局長が亡くなった理由についても、自説を語り始めた。

「その(プライベートな)データが外に出た。(片山)副知事が誰かに見せたいう噂。それで彼(元県民局長)はえーとなって、今度、自民党さんとこ行って、百条(委員会)、今から証人、ようしませんと。(自民党は)『今さらおまえ何言うとるねん』なったわけです。それで彼は悩んだんです。それで……」

 記事では省くが、掘井議員は元県民局長のプライベートなデータや亡くなった状況についても、詳細に発言していた。どこまで真実かはわからないが、元県民局長のプライベートなことについて、街頭で質問を受けた市民に気軽に話す掘井議員の行為は許されるものではない。元県民局長の自死の原因は、自民党が百条委員会への出席を強要したためだというような見解も、斎藤知事の問題を無視した発言だ。

斎藤知事は「もともと自民党の推薦や」

 Aさんにとって、掘井議員の発言は、これまで報道などで知っていた話とかなり違う内容で、一方的と思えるものだった。

 そこで、維新が県知事選で斎藤知事を推薦したことを踏まえ、Aさんが「推薦って責任ありますやんか」 と問うと、掘井議員は、

「もともと(斎藤知事は)自民党の推薦やのに、維新が維新がと言うからね、みんな(維新の県議)がビビッてしまっている」
「だから(百条委員会ではなく)刑事事件で検察が調べるなり、正義の立場で調べるのが(いい)って維新は言うとんが、それが(維新は斎藤知事を)擁護している、となっている」

 などと、維新が斎藤知事を推薦した責任には一切こたえず、維新の正当性を主張した。

自民議員は「反論する気にもなれん」

 問題が多い掘井議員の発言だが、告発文書を元県民局長と自民党が作成した、というのは本当だろうか。

 自民党の県議に掘井議員の発言を伝えると、怒り出した。

「あまりにおかしな話で、反論する気にもなれん。なぜ元県民局長と自民党が一緒に内部告発の文書を作るのか、証拠があるのか? 自民党が絡んで内部告発の文書を作っていたら百条委員会をやる前にバレてますよ。ひどいもんだ」

 野党の県議にも掘井議員の発言内容を伝えると、こう憤慨した。

「掘井議員の発言は本当かどうかわからない元県民局長のプライベートなところまで語り、元県民局長を冒涜(ぼうとく)する許されないものだ。それになぜ掘井議員は元県民局長の公用パソコンのデータ内容まで知っているのか。これ、維新の県議から聞いたとすれば情報漏えいで、大きな問題だ」

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