竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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「コンビニ百里の道をゆく」は、ローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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ロサンゼルス・ドジャース大谷翔平選手の活躍が止まりませんね。先月、大リーグの歴史で過去5人しかいない「40-40(40本塁打、40盗塁)」を史上最速、しかもサヨナラ満塁ホームランで決めたのには驚きました。

 昨年の肘の手術で今シーズンはバッターに専念、と聞いた時点で「専念なんかしちゃったらどれほどの打撃成績を残すの?」と思っていました。そんな私の期待をはるかに上回るここまでの成績です。

 期待される中で、心身共にものすごく充実した毎日を、おそらく自らを厳しく律することで保ち続けている。そして期待に応える。超人的な精神力を持ったとんでもない人だな、とあらためて思います。

 フィールドでの存在感も印象的です。「あれ、大谷選手って、ドジャースに入ってまだ1年目だっけ」と思ってしまうくらい、すでに堂々としていますよね。チームを開幕からぐいぐいと引っ張っていっていることが、テレビの画面からも伝わってきます。

 チームメートも大谷選手が昨年のWBCで見せた強烈なリーダーシップを見ているし、今シーズン、情熱と時間を野球に真摯に注ぎ込んでいる姿も見ている。そんなリスペクトがじわじわとドジャースのチーム内に広がって、「もう何年もドジャーブルーのユニフォームを着ている」かのような雰囲気をかもしだしているのではないでしょうか。

史上6人目となる「40-40」をサヨナラ満塁ホームランで決め、チームメートから祝福される大谷選手(写真:photo USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年は昨年までと違い、レギュラーシーズン後も「もう少し長く」、ポストシーズンで活躍する大谷選手を見られるのも楽しみですね。

 そして気が早いですが、来シーズンは投手としても復帰します。「50-50」+三冠王+投手として20勝。そこまで行っちゃうんじゃないか。いや、そんな期待も超えてくれるんじゃないか。

 大谷選手に見る夢は、いくら大きくても大きすぎることはないですね。

AERA 2024年9月16日号