ギャル友だちのサインで埋め尽くされた、のあぴさんのランドセル

――学校の先生や友達は、のあぴさんを受け入れてくれますか?

のあぴ:普通に受け入れる~。担任は男の先生やけど、理解してくれるし。

母:「なんて検索したら、モデルの動画見られるの?」とか言ってくれるよな。

のあぴ:でも1年生のときは、先生が、のあのランドセルに紙……。

母:あはは(笑)。ランドセルにマジックでサインを書いてるから、当時の担任の先生に厚紙をべたべたに貼られて帰ってきたことがあったんです。

のあぴ:あと、友だちに「きれいー」って髪の毛引っ張られた。

母:で、手を出したらあかんでってママに言われてたから、体当たりしたんよな(笑)。最初って仕方ないと思うんですよ。でも、結局その子もわかってくれて、毎日のあのTikTokとかチェックしてくれて。学校にも最初にモデル活動のことをちゃんと説明したから、今はすごく応援してくれてます。

趣味のポールダンスの練習に励む、のあぴさん

――ギャルの先輩として、お母様がのあぴさんに教えていることは?

母:こんだけ派手な見た目して、やってることがちゃらんぽらんやったら、ギャルのイメージ悪くなるってことをよく言います。「学校にも無理言って理解してもらってるんやから、撮影で授業を休んだときの宿題はちゃんと提出しなさい」とか。あとはあいさつですね。ママ、「もっと大きい声で言わなあかんで」って言うよな?

のあぴ:(声が小さいって)わかってるけど、恥ずかしいときもある。でも、最近ちょっとだけ恥ずかしくなくなってきた。

母:すごいやん! 礼儀だけでもしっかりしてたら、生きていけるから。

――のあぴさんの将来の夢は?

のあぴ:ギャルメイクとかパラパラとか教えてくれる、ギャルの学校を作ることです。あとは「egg」のモデルになること!

母:のあについての心配は特にないんですけど、なんか、今の日本って、人の個性をつぶしがちなところがまだあると思うんです。髪染めてたらどうこうとか。でも、のあもコギャルやりながら学校も行って、黒髪の子となんら変わらず生活してるわけで、もうちょっとギャルが住みやすい、個性を大事にする日本になればいいかなってすごく思う。……なんか政治活動みたいやけど(笑)。

(聞き手・構成/AERA dot.編集部・大谷百合絵)

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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