占い師、作家 しいたけ.
この記事の写真をすべて見る

 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

*  *  *

Q:買い物に出かけたスーパーで嫌な思いをすることがあります。キャベツやトマトなどが積まれていると、手にとっては戻しとっては戻す人がいるのです。一つ二つならまだしも、全部を触らないと気がすまないのか、ベタベタ触りまくるので、スーパーに行くこと自体が嫌になってしまいます。「そういう人にやめてもらう方法」ではなく「そういう人を見ても何も思わずにいられるようになる方法」を伺いたいです。(男性/年金暮らし/70歳/てんびん座)

A:最近、こういう「気にしない方法を教えて」という相談が多いなと感じます。自分にとって相いれないもの、価値観が合わないものや不快なものを、どうやったら気にしないで済むのかという相談。それほどいま周りが騒がしいというか、神経質にならざるを得ない環境があるのかなと思います。参考になるかわかりませんが、今回は、僕だったらどうするかという観点から二つアドバイスをお伝えしたいと思います。

 まず、僕の場合、こういう人がいて嫌だなと思ったら、即座に自分の脳内で知り合いの豪快な人を思い浮かべます。その人に頭の中に登場してもらって、「いるよね~こういう人。まぁ、私は気にしないで買っちゃうけどね」と言ってもらいます。

 テレビやネットでひどい事件などを目の当たりにした時にも、一人で受け止めるのってすごく酷です。正直受け止めきれない。そういう時、他人がいることでわれわれは生きていくことができているような気がするんですよね。他人は、自分と同じ反応をするわけじゃないし、違う価値観で受け止める方法を知っています。

著者プロフィールを見る
しいたけ.

しいたけ.

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

しいたけ.の記事一覧はこちら
次のページ
完全に納得できなくても「じゃあいっか」と思えることもある