〈気がつけば、権力者の周囲には二流、三流のイエスマンが主流を占めている状況に。権力者は好き嫌いで人を評価します。既に一部の者だけが居心地よい組織になってしまっていたとしたら末期ガンと同じです〉
末尾にはこんな一説もある。
○上に立つものの矜恃(出来ているという訳ではないですよ、もちろん)
手柄は譲り、責任は取る
仕事に厳しく、人に優しく
好き嫌いで人を選別するな
人を育てる視点を失うな
信用しない人は信用されない
任せたら、待つ
過去の自分と部下を比較するな
来る者拒まず、去る者追わず(頼られたら応え、軽視されても怒るな)
考えすぎない(心配事の80%は起こらない。起きてしまう20%のうち80%は解決可能。つまり、全体の4%が本当に問題)
存在した3月分のメッセージ
国会図書館の記録では2月分までの収録だが、実は「3月分」もあった。親族と思われる人によって一部がSNSで紹介されていた。最後のメッセージは完全に後輩宛てだ。
「これから県を支えていく後輩の皆さんに最後に伝えておきたいことを書いておきます」
で始まる。
「我々は公務員です。仕事は県民の皆さんのためにするものです。自分のために、自分の栄達のために、仕事してはいけない、仕事を利用してはいけない、県民を利用してはいけない」
「同僚や上司、部下はもちろん、関りを持った人達から『あなたと一緒に仕事が出来てよかった』、『また一緒に仕事をしましょう』と言ってもらえる職員であって欲しいです」
そしてこう締めくくっている。
「最後に。人を大切にすること、義を通すこと、誠実であることを、ひとりの人間としてずっと心に持ち続けて欲しいです。そして、筋を通そうとして挫けることがあっても、理不尽な現実の壁に跳ね返されても、諦めないで下さいね。『いつかきっと』と心に念じながら。素晴らしい人にたくさん出会えますように。県民の皆さんの心に残る仕事に出会えますように。長らくのご愛読ありがとうございました」
西播磨県民局はAERA dot.の取材に、元県民局長のメッセージを削除したことを認めた。その理由については「はっきりとは承知していない」とし、本庁の指示だったことをうかがわせた。
(AERA dot.編集委員・夏原一郎)