パ・リーグ審判として29年、通算1451試合に出場した山崎夏生さん

「研修審判」になると、独立リーグである「四国アイランドリーグplus」や「BCリーグ」に派遣され、球審、塁審としての動きの基礎を徹底的にたたき込まれる。「みやざきフェニックス・リーグ」では実際に昇格試験が実施され、合格すれば「研修審判」から「育成審判」になれる。

「育成審判」になれば、2軍ではあるがNPBの試合にも出場が可能だ。ジャッジのレベルは一気に高くなるが、年俸も400万円弱にまでアップし、「昇給」もある。ここまできて、「審判の仕事に集中できる環境」がようやく整うという。

「育成審判」の契約期間は最長3年だが、研修審判の時と同じく昇格試験に合格すれば、ついに念願の「本契約」となる。ただ「本契約」になったとしても、1軍の試合に出場するには、まだ長い道のりがある。

一人前になるまで「最低10年」

プロ野球選手なら1年目でレギュラーになることもありますが、審判は無理です。審判に最も大切なのは『経験』。いろいろな修羅場を経験し、あらゆるプレーに遭遇し、ジャッジの引き出しを持たないといけません」(山崎さん)

 1軍の試合に出場できるようになっても、最初は月2、3試合ほど。残りの日程は2軍で経験を積む。1軍の試合に定着するまでには、研修・育成の期間を合わせると「最低10年」はかかるという。

(AERA dot.編集部・岡本直也)

※【後編】<プロ野球の審判「ミスジャッジ」でバッシング、重圧で吐き気も…過酷さを超える仕事の「魅力」とは>へ続く

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