支援者とハイタッチをし、ファンサービスをする石丸氏=24年7月、小山歩撮影

身軽なボランティアで政治に参加

 「自分は主婦で、政治と無縁でしたが、一度くらいこんなふうに政治に関することをやってみたいな、と思っていました。軽いスタンスの選挙ボランティアは非常にありがたかったです」

 初めて選挙活動にかかわった40代の女性はそう話す。

 「選挙はお祭りです。自分たちが未来を創るという考えも大事ですが、まずはこのお祭りを楽しんでください」

 石丸氏は演説でそう繰り返した。

 本人が「お祭り」と表現するように、支持者はその場の雰囲気や空気を楽しんでいるように感じた。選挙をぐっと身近なものに感じてもらう、無縁だった人に選挙活動に加わってもらう。そういった意味では一定の成功を収めているように映る。一方で、支援に集まった人たちから、石丸氏の公約や主張についての感想は聞けなかった。

 1人で演説を聞いていた20代の男性はこんな感想を漏らした。

 「SNSの動画は何度も見ました。わかりやすく、親しみやすさはあるんですが、誰かが都合のいいように切り取った動画のようでもあり疑問に思いました。今日はそれを確かめるために(演説を)聞きに来ました」

 SNSを通じた選挙戦略は、若者をどこまで選挙に引き付けるのか。都政にも選挙にも関心がなかった人をどれだけ投票所に導くのか。開票結果を見るまでは計り知れない。目標の得票数を陣営側に尋ねたが、回答はなかった。

(AERAdot.編集部 小山歩)

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