不死川玄弥。「柱稽古編」公式HPより (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

玄弥の兄であることを否定

 だが、実弥はあれだけきつい態度を取りながら、実は冷静で、周囲をよく見ている。怒ったり、怒鳴ったりしながらも、「風柱」らしい立ち居振る舞い、そして状況判断能力の高さを見せていた。

 ただ、弟の玄弥にだけは明らかに尋常ではない。玄弥を無視し続ける態度は一貫しており、誰が何と言おうとも、とりつくしまもないのだ。玄弥が勇気を出して、「話したいことがあるんだ…」と呼び止めても、実弥は冷たく言い放つ。

「しつけぇんだよ 俺には弟なんていねェ いい加減にしねぇとぶち殺すぞォ」(不死川実弥/15巻・第132話)

実弥の激しい怒り

 押し問答の後に、「心底どうでもいいわ」と言って背を向ける兄に絶望し、玄弥は思わずこんな言葉を口にした。

「そんな…俺……鬼を喰ってまで…戦ってきたんだぜ…」(不死川玄弥/15巻・第132話)

 これに実弥が激怒する。怒りにまかせて、実弥は玄弥の目を潰すような攻撃態勢をとった。「再起不能にすんだよォ」と言い、鬼殺隊を辞めること、鬼と戦うことをやめるよう玄弥に命令する。

 この玄弥の告白によって、鬼喰いを始めたことによる「玄弥の肉体の急激な変化」の理由に、実弥は気づいたはずだ。鬼化して、不死川兄弟の弟妹を喰い殺した、彼らの母親の悪夢が思い出される。

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「鬼は駄目です 承知できない」