「コンビニ百里の道をゆく」は、54歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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中華料理中心の大衆食堂、いわゆる「町中華」が近年、とても人気のようですね。ローソンでもいま「町中華フェア」を開催中です。
1958年に早稲田で創業した「早稲田メルシー」監修の炒飯、タンメン、おにぎりの3品と、65年に赤坂で創業した「赤坂珉珉」監修の炒飯、炒麺、おにぎり、カップ麺の4品、計7品を全国の店舗で販売しています。
また全国7地区(北海道、東北、関東甲信越、中部、近畿、中四国、九州)のローソンでは、地区ごとにご当地の人気中華店監修の冷やし麺を発売しています。
私も町中華は大好きです。大阪の実家の近くに「永楽」という町中華があり、小学生の頃から通っていました。10ほどの座席とカウンター、大将と店員さん一人で切り盛りしている小さなお店。電話で注文して私が受け取りに行ったり、家族で食べに行ったり。餃子にチャーハン、焼きそばもとても美味しかった。
高校時代にラグビー部の仲間とは、学校近くの店によく餃子を食べに行きました。「永楽」は家族との思い出。餃子は仲間との思い出。町中華はその時一緒に過ごした人との思い出と、共にあるものではないかと思います。
今回、町中華フェアをやるにあたって、早稲田メルシーさんからメッセージをいただきました。
実は同店はパートの方お二人が健康上の理由で働けなくなり、6月末で一時休業されているんです。店主の方は「一旦休業しますが、全国のローソンでメルシーの味を楽しんでください。再開の際にはまた早稲田メルシーに足を運んでください」とおっしゃっています。
これは責任重大だなとも思いました。ぜひ早期の再開を願いつつ、いまはこの「町中華フェア」に一生懸命、取り組んでいきたいと考えています。
※AERA 2024年7月22日号