【米ビルボード・ソング・チャート】シャブージー「ア・バー・ソング(ティプシー)」が自身初の首位、タイトルに「ソング」が含まれる曲で首位を獲得したのは10作目
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 米バージニア州出身のシンガー・ソングライター=シャブージーの「ア・バー・ソング(ティプシー)」が1位に浮上し、自身初のNo,1タイトルを獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 「ア・バー・ソング(ティプシー)」は、5月11日付で3位にTOP10入りした後、約2か月間上位をキープして先週(7月6日付)2位に浮上し、今週(7月13日付)登場12週目で1位に到達した。同時に、カントリー・ソング・チャートでも今週1位に浮上して、通算4週目の首位を獲得している。

 黒人アーティスト(あるいはバイレイシャル)の曲がHot 100とカントリー・ソング・チャートで同時に1位を獲得したのは、今年の3月2日付で1位に初登場したビヨンセの「テキサス・ホールデム」に続く史上2組目の快挙で、黒人男性アーティストではシャブージーが初のアーティストとなる。

 シャブージーの曲がTOP10入りするのは「ア・バー・ソング(ティプシー)」が初めてだが、Hot 100(100位内)には2024年4月13日~20日付で2週間1位を記録したビヨンセのアルバム『カウボーイ・カーター』にゲストとして参加した「スパゲッティ」が31位、「スウィート★ハニー★バッキン」が61位にランクインしたことがある。

 同曲が収録されたニュー・アルバム『ウェア・アイヴ・ビーン、イズント・ウェア・アイム・ゴーイング』は、6月15日付のアルバム・チャート“Billboard 200”で5位に初登場して、アルバム・チャートでも自身初のランクインを果たした。本作は、カントリー・アルバム・チャートでも2位を記録して、アメリカーナ/フォーク・アルバム・チャートでは3週目の首位を獲得している。

 「ア・バー・ソング(ティプシー)」は、今週の集計期間(2024年6月28日~7月4日)にエアプレイが11%増加の6,000万回に上昇し、最も伸びた曲に贈られるAirplay Gainerを獲得。ストリーミングは10%増加の4,480万回、セールスも6%増加の23,000にそれぞれ数字を伸ばした。

 デジタル・ソング・セールス・チャートでは8週目の首位を獲得して、ストリーミング・ソング・チャートでは先週の3位から1位に上昇し、自身初のNo,1タイトルを獲得。エアプレイ・チャートでは7位から4位に上昇して、初のTOP5入りを果たしている。

 ジャンル別のエアプレイ・チャートでは、カントリー・エアプレイ・チャートで12位から6位、ポップ・エアプレイ・チャートとアダルト・ポップ・エアプレイ・チャートではそれぞれ10位から8位、リズミック・エアプレイ・チャートでは7位から5位に上昇して、4つのチャートでTOP10にランクインした初のタイトルに輝いた。

 なお、4つのチャートでTOP10入りしたのは「ア・バー・ソング(ティプシー)」が初めてだが、4つのチャートすべてにランクインしたことがある曲は、1996年3月の集計以降13曲ある。

 シャブージーは、6月30日にロサンゼルスのピーコック・シアターで開催された【BETアワード2024】で同曲をラッパーのJ-クウォンとパフォーマンスし話題を呼んだ。「ア・バー・ソング(ティプシー)」には、2004年4月に最高2位を記録したJ-クウォンによる同名曲「ティプシー」がサンプリングされていて、原曲も間接的に最高位を更新し、J-クウォンも自身初の首位を獲得したことになる。

 「ア・バー・ソング(ティプシー)」にはJ-クウォンもソングライターとしてクレジットされていて、ソングライターとしても両者初のNo,1タイトルを獲得した。なお、J-クウォンの「ティプシー」は2004年にラップ・ソング・チャートでは5週間1位を獲得している。

 Hot 100とカントリー・ソングの両チャートで同時(同週)に1位を獲得したのは「ア・バー・ソング(ティプシー)」が以下に続く史上28曲目で、2024年は3月にビヨンセの「テキサス・ホールデム」、5月にポスト・マローン「アイ・ハッド・サム・ヘルプ feat.モーガン・ウォレン」が達成していて、その2曲に続く3曲目のタイトルとなる。

シャブージー「ア・バー・ソング(ティプシー)」(2024年)
ポスト・マローン「アイ・ハッド・サム・ヘルプ feat.モーガン・ウォレン」(2024年)
ビヨンセ「テキサス・ホールデム」(2024年)
ザック・ブライアン「アイ・リメンバー・エヴリシング feat.ケイシー・マスグレイヴス」(2023年)
オリヴァー・アンソニー・ミュージック「リッチ・メン・ノース・オブ・リッチモンド」(2023年)
ジェイソン・アルディーン「トライ・ザット・イン・ア・スモール・タウン」(2023年)
モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」(2023年)
テイラー・スウィフト「オール・トゥー・ウェル(テイラーズ・ヴァージョン)」(2021年)
テイラー・スウィフト「ウィ・アー・ネヴァー・エヴァー・ゲッティング・バック・トゥゲザー」(2012年)
ローンスター「アメイズド」(1999~2000年)
ケニー・ロジャーズ&ドリー・パートン「アイランド・イン・ザ・ストリーム」(1983年)
エディ・ラビット「恋のレイニー・ナイト」(1981年)
ドリー・パートン「9 To 5」(1981年)
ケニー・ロジャース「レイディ」(1980年)
グレン・キャンベル「哀愁の南」(1977年)
C・W・マッコール「コンボイ」(1975~76年)
ジョン・デンバー「アイム・ソーリー」(1975年)
グレン・キャンベル「ラインストーン・カウボーイ」(1975年)
ジョン・デンバー「すばらしきカントリー・ボーイ」(1975年)
フレディ・フェンダー「涙のしずく」(1975年)
B.J.トーマス「心にひびく愛の歌」(1975年)
ビリー・スワン「アイ・キャン・ヘルプ」(1974年)
チャーリー・リッチ「朝やけの少女」(1973年)
ボビー・ゴールズボロ「ハニー」(1968年)
ジーニー・C・ライリー「ハーパー・バレー P.T.A.」(1968年)
ジミー・ディーン「ビッグ・バッド・ジョン」(1961年)
マーティー・ロビンス「エルパソ」(1959~60年)
ジョニー・ホートン「ニューオーリンズの戦い」(1959年)

 1958年に集計が始まってから、Hot 100とカントリー・ソングの両チャートで同時に首位を獲得した曲が最も多いのは1975年で、過去36年間では2曲しかなかったが、この10年間には「ア・バー・ソング(ティプシー)」を含めて8曲が達成している。

 タイトルに「ソング(Song)」が含まれる曲では以下に続く10曲目の首位獲得で、そのうち7曲は1970年代にリリースされた曲だった。

シャブージー「ア・バー・ソング(ティプシー)」(2024年)
スティービー・B「ビコーズ・アイ・ラヴ・ユー(ザ・ポストマン・ソング)」(1990年)
ビリー・オーシャン「サッド・ソングス」(1986年)
ルパート・ホルムズ「エスケープ(ピニャ・コラーダ・ソング)」(1979~1980年)
ウイングス「心のラヴ・ソング」(1976年)
バリー・マニロウ「歌の贈りもの」(1976年)
B.J.トーマス「心にひびく愛の歌」(1975年)
ジョン・デンバー「緑の風のアニー」(1974年)
ロバータ・フラック「やさしく歌って」(1973年)
ニール・ダイアモンド「ソング・サング・ブルー」(1972年)
アルビン&ザ・チップマンクス「ザ・チップマンク・ソング」(1958~1959年)

 なお、上記のうち「ア・バー・ソング(ティプシー)」、「ビコーズ・アイ・ラヴ・ユー(ザ・ポストマン・ソング)」、「エスケープ(ピニャ・コラーダ・ソング)」、「緑の風のアニー」、「ザ・チップマンク・ソング」は曲中でタイトルをすべて歌っていない。

 先週6週目の首位を獲得したポスト・マローンの「アイ・ハッド・サム・ヘルプ feat.モーガン・ウォレン」は今週2位に順位を下げたが、エアプレイ・チャートで2週目、2024年のソング・オブ・ザ・サマー・チャートでも6週目の首位を獲得している。

 先週3位に浮上したケンドリック・ラマーの「ノット・ライク・アス」は今週も同位をキープして、ラップ・ソング・チャートでは8週目、R&B/ヒップホップ・ソングでは6週目の首位を獲得した。

 サブリナ・カーペンターの「エスプレッソ」は4位をキープして、「プリーズ・プリーズ・プリーズ」は5位から6位、トミー・リッチマンの「ミリオン・ダラー・ベイビー」は6位から5位に順位を入れ替えた。「ミリオン・ダラー・ベイビー」は、R&Bソング・チャートで10週目の首位を獲得している。

 7位はホージアの「トゥー・スゥイート」が同位をキープして、ロック&オルタナティヴ・ソング・チャートで13週目、ロック・ソング・チャートとオルタナティヴ・ソング・チャートではそれぞれ14週目に首位獲得週を更新した。

 8位はベンソン・ブーンの「ビューティフル・シングス」、9位もテディ・スウィムズの「ルーズ・コントロール」がそれぞれ同位にランクインして、今週10位には米ミズーリ州出身のシンガー・ソングライター=チャペル・ローンの「グッド・ラック、ベイブ!」が先週の11位から上昇し、初のTOP10入りを果たしている。

 「グッド・ラック、ベイブ!」は、今週の集計期間にストリーミングが前週とほぼ同率の2,090万回、エアプレイが20%増加の1,600万回、セールスは342%増加の15,000に上昇し、今週売上が最も伸びた曲に贈られるSales Gainerを獲得した。

 「グッド・ラック、ベイブ!」は、チャペル・ローンとダン・ニグロ、ジャスティン・トランターによる共作曲で、ダン・ニグロはオリヴィア・ロドリゴと共作したタイトルを含む7曲目、ジャスティン・トランターは10曲目のTOP10入りをそれぞれ果たしたことになる。

 同曲は収録されていないが、この曲のヒットもあり昨年9月にリリースしたアルバム『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』は、6月22日付のアルバム・チャート“Billboard 200”でTOP10入りした後、最新のチャート(7月13日付)では5位に最高位を更新し、自身初のTOP5入りを果たしている。

 今週「グッド・ラック、ベイブ!」とサブリナ・カーペンターの「エスプレッソ」、「プリーズ・プリーズ・プリーズ」の3曲がTOP10にランクインしたことで、3曲を輩出したレーベル「アイランド・レコード」としてはユニバーサル・ミュージックの傘下に入ってからTOP10に3曲をはじめてランクインさせた。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは7月12日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ア・バー・ソング(ティプシー)」シャブージー
2位「アイ・ハッド・サム・ヘルプ」ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン
3位「ノット・ライク・アス」ケンドリック・ラマー
4位「エスプレッソ」サブリナ・カーペンター
5位「ミリオン・ダラー・ベイビー」トミー・リッチマン
6位「プリーズ・プリーズ・プリーズ」サブリナ・カーペンター
7位「トゥー・スゥイート」ホージア
8位「ビューティフル・シングス」ベンソン・ブーン
9位「ルーズ・コントロール」テディ・スウィムズ
10位「グッド・ラック、ベイブ!」チャペル・ローン

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