「PGはコートの中の監督と言われます。PGのミスは試合の流れに直結して、落ち着きがない試合になってしまう。安定感のあるPGがいるチームこそがいいチームになると信じているので、フィンランド戦で一番良かったのは得点よりも、試合を通してターンオーバーがなかったことです」
みなぎる司令塔としての矜持。ホーバスHCからも「PGとして自信を持ってプレーしなさい」と常に叱咤されているという。
「代表では最年少ですが、だからといって遠慮することなくPGとしてチームを引っ張らないといけないという自覚を持たせてくれました」
これまで日本代表の司令塔といえば、富樫が担ってきた。超えるべき存在として見ているのだろうか。
「実はライバルという感覚はないんです。プレースタイルで言えば、富樫さんは得点ファーストで、僕はアシストを武器にする選手。富樫さんを小さなころからよく見ていて、目標の選手ではありますが、意識するよりも、僕はオリジナルの僕であり続けたい。得点への意識は高まっていますが、パスでチームメートを生かし、観客の皆さんを魅了することが僕の大きな核。そこはぶらすことなくやっていきたい」
(編集部・秦正理)
※AERA 2023年10月16日号より抜粋