出口戦略とは…実際の生活に使える形にすること
ということで、そもそも「出口戦略」とは何か?というところから始めます。
出口戦略をひとことで言えば、投資で増やした資産をどう現金化するか です。別の言葉で言い換えれば、証券口座のなかにある資産をどうやって 実際の生活に使える形にするか……ということです。
付け加えれば、一般的にはその先で、あなたの資産を(未来の)家族にどう引き継いでいくのか(あるいは、あえて引き継がないのか)という部 分も、出口戦略の一部だと考えます。
現金やそれに準じるお金の形にしないと、私たちは朝食の塩クロワッサンも、昼食のうどんも、夕食のお米も買えません。電気料金・ガス料金・水道料金も払えません。もちろんネット代やスマホ代も払えません。
お金の増やし方は多く語られますが、出口戦略については語られることが少ないのが現実です。私はそうした現状に警鐘を鳴らしたいと思っています。本当は、お金の増やし方よりも出口戦略のほうが大切! ……なのです。
なぜ重要? 出口戦略の失敗は「貧乏老後」に直結する
出口戦略こそが重要である理由は、出口戦略を失敗すると、そこからのリカバリーが非常に難しいからです。高齢になってから資金が枯渇すると、自力で資産をつくり直すための時間がもう残っていません。投資に関する判断能力も衰えているので、新たに投資を行っての挽回も厳しくなります。
再び労働に戻って大きな収入を得ることも困難です。仮に身体が動くと しても、求人は限られているので希望する職種にはなかなか就けません。高齢になってまで希望しない条件ではもう働きたくないでしょう。生活費 の足しくらいには働くことができても、もう一度、大きな資産形成をする ために余分に稼ぐ体力はなくなっています。場合によっては病気などで健 康状態も悪くなっているでしょう。
老後はお金の不安とは無縁に、のんびり静かに余生を送りたいもの。そうした余生を実現するためには、出口戦略は「絶対に負けられない戦い」とならざるをえないのです。
では、何をどうすればいいのか?出口戦略の具体策は次回に改めて説明したいと思います。